第七話 過去編
遡る事4年前・・・・・。ましろが中学1年生になったばかりの頃。
「君可愛いね。名前はなんていうの?」
入学してから僕の性別が分からない男子は、女子と勘違いしてか大抵同じことを聞いてきた。・・・・・・たまに女子も。
「お前を見ていると飽きないな。ましろちゃん?」
「知らないよ。皆が勝手に勘違いするんだって!・・・・・・ていうか、ちゃん付けは止めてよ!」
話しかけてきたのは、佐津間 仁だ。
入学した時から僕を面白がって見ていたようで、なんだかんだで今は良い友達だ。
「それよりも。隣のクラスの猪野 美鈴って子を知ってるか?ものすごく可愛いらしいな」
「猪野?・・・・・知らないよ?そんなに有名な人なの?」
まだ彼女が出来ていない仁は普通にいる中学生だ。高校生になって彼女が出来るなんて・・・・何とも言えない。
「ああ。さっき見てきたんだがあれは大物だな。物凄く良かった。綺麗と可愛いが混ざったような・・・・とにかく良かった。」
「へぇ。そんなに可愛いんだ・・・・・・・」
「おっはよう!!!!お二人さん!!!何話してるの!??」
・・・・・・狩谷さんだ。隣のクラスのはずなのに彼女には、関係ないらしい。既に彼女の陸上の才能は開花しており中学1年にしながら全国大会の優勝候補らしい。
「おはよう。狩谷。隣のクラス・・・・・そういえばお前も隣だったな。お前のクラスにいる猪野って子の話をしてたんだ。」
「美鈴ちゃんのことね!!たしかに可愛いよね!!私も惚れ惚れしちゃうもん!!・・・・・ぁ!もしかして目をつけてる?ダメだよ!最初に目をつけたのは私だもん!!」
狩谷さん・・・・・猪野さんは貴方の物じゃないでしょ・・・・。まぁ面倒だから口では言わないけどさ。
「てか狩谷さんなんでここに居るの?」
「なんでってましろちゃんを探しに・・・・・・ってましろちゃん!!!可愛い過ぎるよ~!!」
「ちゃんは付けないで!!って抱きつかないで!!」
「別にいいじゃん!女の子同士♪」
「僕は男です!いい加減覚えて・・・・・・」
話しかけなければ良かったかも・・・・・・・いや話さなければ良かった。いまさら遅いかな............