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LINEグループ - いつめん御前の面々は、ドラマにどハマりし、テレビを観ながら、互いに感想を、つぶやいた!

「本書(本作品)はフィクションです。作中に登場する人物、団体、名称、地名、事件などはすべて架空のものであり、実在するいかなる対象とも一切関係ありません。また、特定の思想・信条・宗教を支援または誹謗中傷する意図はございません。」

LINEグループ:いつめん御前

(実況):かよこ・あさこ・まさみ・マツコ・盆踊りババア


第一章 金曜夜10時、1,890円のコンパクトと、始まりの風


序章

日本の学校や、私たちが生きる日々の夏というのは、もっとずっと切実で、どこか青くて静かなサバイバルに似ていました。


【LINE】いつめん御前(5人)は、ドラマにどハマりし、テレビを観ながら、互いに感想を、つぶやいた!


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金ドラ『Back to the BASIC』最終回

ドラマ本編


エアコンの効きの悪い部屋の片隅で、

ヤスコさん(京香)は、お気に入りのリネン地のスカートをそっと揺らしながら、小さなため息をついていました。


彼女の手にあるのは、仕事の帰り道にあるドラッグストア「パパス」の特売カゴで見つけた、1,890円の小さなクッションファンデーションのコンパクトです。


「私はいつも、この1,890円の狭い現実の中で、誰かに負けないように、必死に見栄を張って生きている。


家に帰っても、旦那の浮気がわかって、高校生の息子はまともに口をきいてくれない。冷たい沈黙があるだけ。この化粧水を叩き込むだけの毎日……」


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【LINE】いつめん御前(5人)

かよこ(42歳・主婦):

始まった!! 金ドラ『Back to the BASIC』最終回!! 冒頭から京香さんの切ないリアル主婦の解像度高すぎて胸アツ


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あさこ(45歳・事務職):

パパスの1,890円のコンパクトってのがリアルよね。18,900円のDiorは毎日使えないのよ。


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マツコ(46歳・アパレル):

わかる、45歳の肌に1,890円のファンデ叩き込んでる京香さんの横顔、ジバンシィのガウン着てなくてもまじで気品があって美しいわ……。


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ドラマ本編


 そんなヤスコさんにとって、一週間を無事に終えた金曜日の夜だけは、特別で、ささやかな光の時間でした。

 家路を急ぐ人々の足音が冷たく響く、新宿駅のコンコース。喧騒から少し離れた改札の外に、ひっそりと佇むニューヨーク発のドーナツ屋さん「ドーナツプラント」の小さなカウンターの前に、ヤスコさんは毎週、静かに立つのです


 一週間頑張った自分への、たった一つのご褒美。

 店員のアゆむくん(歩)は、いつものように、真っ赤でツヤめく大きな四角いラズベリードーナツを、丁寧に紙袋へと収めてヤスコさんに手渡します


「ありがとうございます。いつも金曜日のこの時間に、来てくださいますね」


 アゆむくんが、あの昭和の文豪のような、どこか影のある大人の色気を帯びた優しい瞳で微笑みかけます。


「ええ。一週間頑張ったあとに、この甘酸っぱいラズベリーを食べるのが、私の唯一の楽しみなんです」


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【LINE】いつめん御前

まさみ(44歳・看護師):

キャァァァァァ

歩のエプロン姿キタァァァァァァ!!!!!


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あさこ:

あの低音ボイスで「いつも金曜日のこの時間に」って言われたら、ダンキンのパートの疲れなんか秒で吹き飛ぶわ!!!!!


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かよこ:

歩のその昭和の文豪みたいな哀愁ある目つき何なの!? 画面越しに大人の色気がカンストしてて息ができない。


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第二章 ドーナツプラントって、コンビニにないの?


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ドラマ本編

 店員は、紙袋の端をきれいに折りたたみながら、少しだけ寂しそうに視線を落としました。


「……ヤスコさん。実は、うちのお店、本国の意向で……来月の末で、日本から完全に撤退して、閉店することが決まったんです。


だから……あと4回しか、金曜日がありません。最後の金曜日が来るまでの1ヶ月間……。


僕に、あなたの毎週のご褒美を、もっと特別なものにさせてもらえませんか」


 都会の雑踏のノイズがすうっと消え去り、2人の間に、夏の終わりの切ない風だけが凪ぐように吹き抜けていきます。ここで、これ以上ない最高のタイミングで、切ないアコースティックの主題歌のイントロが静かに流れ始めました。


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【LINE】いつめん御前

かよこ:

ちょっと待って、京香さんが持ってるあの四角い真っ赤なやつ何!?

ドーナツプラント?

ニューヨーク発のオーガニックドーナツって何それオシャレすぎじゃない!?!?


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あさこ:

え、ドーナツプラントってファミマにないの?

うちの近所の、デイリーヤマサギ探せば、パンコーナーの端っこに置いてないわけ???


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マツコ:

あんたたち正気!?

コンビニにあるわけないでしょ!

日本からもう何年も前に撤退した幻の高級ドーナツよ!

1個400円以上するんだから!

やっぱり京香は住む世界が違うわね、1,890円のファンデーション使ってても漂うラグジュアリーが違うのよ。


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まさみ:

1個400円……! 高っっっ!!!

ダンキンなら、フレンチクルーラーとオールドファッションとポンデリング買って、さらにお釣り(1,890円の現実)がくるレベルじゃん!


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第三章 私なら、毎日行く。そして、痩せないババア

 

普通の恋愛小説や、若い子たちのドラマなら、ここで一週間をじっと切なく悶々として過ごすのかもしれません。


しかし、45歳、酸いも甘いも噛み分けて現実をタフに生きるヤスコさんの行動は、アゆむくんの想定をはるかに超えていました。


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ドラマ本編


 翌、月曜日の朝。

 お店を開けた店員くんが目にしたのは、開店直後のカウンターの前に、パートへ行く前のシャキッとした姿で、涼しい顔をして立っているヤスコさんの姿でした。

「……え? ヤスコさん。金曜日じゃないのに、どうして……」


 目を丸くするアゆむくに、ヤスコさんは、1,890円の化粧水が最高にツヤめく大人の美しい笑顔で、バッグをポンと置きながら言い放ちました。


「アゆむさん、何言ってるの。来月お店がなくなっちゃうのよ? あと4回なんて待っていられるわけないじゃない。……私なら、毎日来るわ」


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【LINE】いつめん御前


あさこ:

キタァァァァァァーーー!!!!!

「私なら毎日来るわ」!!!!!


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かよこ:

京香さんカッコよすぎるwwwwwwww 男の「あと4回」を物理的行動力で秒速粉砕したwwwwww


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まさみ:

そうよ!!! 店がなくなるなら毎日でも買いに行くのがリアルよ!!! 通いつめるわよ!!!


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盆踊りババア(ヤスコの地元の町内会・お屠蘇で泥酔中):

うぇーーーい!!! オーガニックドーナツだか何だか知らねえけど、そんなの食べたら一瞬で太るわよぉぉぉ!!!!!

私なんか先週から「明日から本気出すダイエット」始めたのに、盆踊りの打ち上げの残りのフランクフルトと、浅草のいもようかん、あと目白の居抜きのたい焼き3個食べちゃって、体重1ミリも減らないんだけど!!!!! むしろ増額1.2キロよぉぉぉーーー!!!(カーーーッ、カッカッカッカッ!のスタンプ)


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かよこ:

ババアうるさいわよwwww ダイエット始めたけど食べちゃう、痩せない、ってそれただのあんたの毎日の暴飲暴食でしょ!!!!!

いなり寿司吹き出しかけたわwwww


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第四章 11時前、お風呂という名の「Back to the BASIC」


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ドラマ本編


 ここから、ヤスコさんの怒濤の「まいにちラズベリー作戦」がスタートしました。

毎日カウンター越しに「お疲れ様」と声を掛け合い、ドーナツを包むアゆむくんの手とヤスコさんの手が、


毎朝そっと触れ合う。

ただの店員と常連客だった二人の距離は、新宿駅の改札の外という日常のすぐ隣で、毎日が特別な「ご褒美(BASIC)」の超濃厚な大人のラブストーリーへと、一気にボルテージが跳ね上がっていくのでした。


「ヤスコさん……僕に、あなたの毎日を、もっと特別なものにさせてもらえませんか」


 アゆむくんが、ヤスコの手をギュッと握りしめる。


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【LINE】いつめん御前


まさみ:

キャァァァァァァーーー!!!!!

手を握った!!!!! でも私、歩にそんなこと言われたら、嬉しくて毎日ドーナツ10個まとめ買いして、ダイエットが完全に大爆死して、腹回りがタイタニックのごとく完全激沈する自信あるわ。


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マツコ:

本当よね。 結局、恋だのロマンスだので胸をときめかせても、さつま揚げ10枚たべたら、次の日の朝に体重計乗った瞬間、突きつけられたような絶望(断末魔)を味わうのはこっちなのよ。


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あさこ:

あーよかった。

画面に「終」って出たね。……あ、ヤバい、もう11時前だしお風呂入らなきゃ!!!!!


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まさみ:

お風呂入って、生乾きのTシャツを、乾燥機にブチ込んで、明日からまた日常(BASIC)頑張ろ。


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マツコ:

ババアはお屠蘇の二日酔いで明日バグ起こさないように、早く寝なさいよ。おやすみねー


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