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この作品には 〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

中毒性のある楽曲を聴いているときに異世界転生させられるとこうなる。

作者: おふとん

 勇者パーティーを紹介しよう。


 勇者、私。

 戦士、武門貴族最年少の少女。

 魔法使い、見習い魔女。

 僧侶、見習いシスター。

 シーフ、適当に見繕われたスラムの少女


 都度増やす事は可能だが、減らすことの出来ないギチギチの契約関係

 パーティーがこれである。


 いや、釈明させてほしい。私はこれでもエロいお兄さんが好きな普通の女だ。昼は誠実なやさ男、夜は男娼って最高だと思うの。まあそんな相手いないから創作物漁って鬱憤を晴らしているわけなんだけど。

 その日はたまたま動画配信サイトでバズってる音楽を解説するものを視聴していたんだけど、日々のストレスから食事をしていないことに気付かず絶食○日目の私は音楽の掛け声を脳内で叫びながら旅立った。


 だから釈明させてほしい。

 私はロリコンではないのだ。神が何かをバグらせて変なスキルを生やされた哀れな一般人なのだ。


 ガシャン


「おねーさん、餌の時間だよ!今日も美味しいのいーっぱい!よかったねぇ♪」

「好き嫌いせずに食べられるかなぁ?私はこの苦いお野菜きらーい!食べさせてあげるね♡はい、あーん♡」

「気持ち悪いよぅ……気持ち悪いよぅ……」

「……」


「あーん♡もぐもぐ……はいっ!美味しいお料理ありがとうございます!今日もみんなのおかげで私最高に幸せです!もっと罵倒してぇ♡♡♡」


 私はロリコンではない。


 カビ臭くてプライバシーも何もない牢屋の中で寒さに震えながら粗末な服を着て年端もいかない少女達に罵倒されて喜ぶ趣味は私には無い。

 それなのに勝手に生やされたスキルがそれを否定する。口から出るのは媚び媚びの甘ったるい声だ。自分でわかる気持ち悪さ。気持ち悪い連呼する僧侶ちゃんには本当に申し訳ない。


 生やされたスキルは以下の通り。


 少女偏愛者(~14才までの少女を守る時、防御力100%up。傷つけられた時、暴走状態化。)

 被虐趣味(罵られるほど耐久性up。魔法属性耐性up。)

 収監されると経験値up

 少女バフ(~14才までの少女への補助魔法効率、威力up。)

 少女崇拝者(~14才までの少女への行動に聖属性魔法鍛練の効果)

 ………………etc

 勇者


 私が何したってんだよおおおおおおおっっっ!!!

 その、最後の!ちょこっとだけ申し訳程度の勇者って文字だけで私の人生滅茶苦茶だよ!!

 このスキル群を晒された時の周りの衝撃は図りしれない。未だに夢に見る罵詈雑言の嵐。私だって嫌だよ!!気持ち悪いって思うなら帰せよオラァ!!チェンジだチェンジ!!!

 まだロリコンスキル群だけなら我慢出来るんだよ。ばれなければちょっと言動のおかしい一般人として紛れられるんだから。でも勇者があると話が別なんだよ。

 この世界はコッテコテの剣と魔法で勇者と魔王な異世界なんだ。RPG的な職業システムもあって時代は中世。知識チートだってきっと出来る。

 でも私にはそれが叶わない。何故なら檻に入るとレベルが上がるから。魔王を討伐に行くのに、ある程度レベル上げてから行くのは親切だと思う。

 でも多分私はずっと檻暮らしな気がする。魔王討伐したら普通に性犯罪者としてお縄だと思う。凱旋パレードとかしたら魔封じの塔みたいなのに閉じ込められて一生をそこで過ごす用意がされてそうな気がする。

 人生オワタ。閉廷。閉店ガラガラ。

 そんな絶望する私の心に汚染のように染み込むスキル群の効力たるや相当のもの。私はロリコンじゃない。そう念じていないと自分を保てない程に心が削られる。


「あはっ♡よく食べられました!えらいえらい♡」

「じゃあ次は訓練のお時間だよ!今日は~っ!オークになりきってみようね!1日中ぶひぶひって鳴くんだよ!」

「ひぃ……」

「おばさんのブヒ声キモいぃ……」


 ぐっふ。

 シーフちゃんの言葉が一番心に刺さる。いてぇよぉいてぇよぉ……。

 私は今日も心から血の涙を流して檻の中で剣の素振りをする。ブヒブヒ鳴きながら。絶対的に少女に逆らえないスキルが私を訓練へと駆り立てるのだ。少女の応援があれば私の訓練は120%アップするのである。やる気・元気・根性・性力アップに加え、少女限定M豚属性的なスキルが私に拒絶の選択肢を取らせない。

 ちなみに我慢しようとすると性力が暴走して少女を襲おうとする。性的に。私って勇者だよな?


「縦!横!斜め!一周回って横薙ぎ!しゃがんで!上に突き上げ!3セット繰り返して!はい!縦!横!」

「がんばれ♡がんばれ♡」

「が、がんばれです勇者様~っ」

「勇者らしく頑張って。」


「ブヒッ!ブヒッ!ブヒィ!ッブヒイィッ♡!ブヒーッ♡!ブヒヒッ♡♡♡!」


 いっそ私を殺せぇ!!!!!

拙作をお読みいただきありがとうございました。続きません。

あの音楽かとピンと来た方もいると思いますがスルーして頂けると幸いです。

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