林檎を捥ぐように
梨もぎにいきたい。和梨。
なだらかな 道がつづけば
きりたつ崖に 立てる爪を失くすだろう
まるい指 やさしい手だって
ほおずりする そのつら はたいてやるさ
林檎を捥ぐように 首を捥ぎにくる
鉤爪とは このままでは やりあえないから
なまくらめ
赤錆の海に 沈めた月を浚う
なまくらめ
黒鉄の爪を 打ち鳴らし刃こぼれさせる
ぬくもりと いとしさだけで
生きていける あの群れが嫌いなんだ
とがる指 凍えた手だって
憐れむ目を ならべた回廊を渡れ
林檎を擂るように 骨を削りとる
それもひとつの強さだと いまじゃわかるから
なまくらめ
青錆の森で 鎮めた胸を抉る
なまくらめ
白銀の爪を すりあわせ刃軋りさせる
>青錆の森
青森、に見える。林檎だけに!