⑷異世界へ
女神様がやらかします。
理人ご立腹。
守護天使にまで冷たくあしらわれる女神様。
はてさてどうなりますやら、本編をお楽しみください。
目が眩むような光が収まった後、ゆっくり目を開けると、そこには辺り一面に緑の草原が広がっていた。
「…ここが異世界?」
何もねぇ。
見渡す限り草原だ。
ただ緑が広がってるだけだな。
「とりま、ステータスをチェックして、スキルを確認しないと、アクティベイトするべき物はしておかないと、戦闘になったときに困るからな。後は、装備を身に着けないと…」
俺はやるべきことを再確認する。
徐に左手の指を2本立てて縦に振ってみる。
すると、目の前に透明なタブレットが表示される。
そこには、俺の基本ステータスが表示されていた。
名前:笠霧理人
性別:男
血液型:A型
年齢:18歳
レベル:1
HP:1200 MP:1200
STR:300 AGE:350
DEX:400 LUX:350
何だこれ?
前世のハイスペック振りに更に拍車かけてんじゃねぇか?
初期設定でぶっ壊れ過ぎだろう。
あのクソ女神。
はぁ…もう良いや。
次だ次!
スキルはちゃんと頼んだ物が付与されてるみたいだな。
アクティベイトする必要のないスキルもあるみたいだな。
これは、常時発動型ってやつで良いのか?
とりあえず、戦闘系スキルは軒並みアクティベイトだな。
俺は、順調にスキルをチェックしてアクティベイトしていく。
「後は持ち物の確認か」
俺はイベントリの画面を開く。
念じただけで開けるようだ。
すげぇーお手軽設定だな。
まあ、助かるけども。
あ、本当に武器と防具一式入ってる。
武器は…。
「刀か…使い慣れてるから好都合だな。どれどれ…」
俺は刀をイベントリから取り出す。
手に持ち抜いてみると、かなりな名刀である事がわかった。
「しかもこれ普通の刀じゃなくね?これ、不壊に使用者固定ってもう神話クラスの武器とかじゃね?神刀だよね?絶対に。何考えてんだ?あの女神。こんなもん振り回してたら面倒事に確実に巻き込まれるじゃねぇか?馬鹿なのか?あいつは」
若干イライラしながらぼやく。
他にないかと探してみると、不壊のスキルは付与されているが普段使いするのにギリギリ使えそうな刀が一振りあった。
最初の神刀を仕舞い、その刀を取り出して装備する。
そして防具も出し装備する。
本気で黒一色だった。
あの野郎。
思わず毒づいてしまうのは仕方ないだろう。
一通りのチェックと装備を済ませ、地図を表示して現在地を確認する。
ふーん、キリクの草原って言うのかこの草原。
ん?
地図のある一点に目を向ける。
「ここから南に行った所にそこそこ大きい街があるな。とりあえず、ここに向かうか。名前はキリリカな」
目的地を定め歩き出す。
すると、背後から声をかけられた。
「理人様、行動指針はお決まりですか?」
俺の守護天使ミカエラだ。
「ああ、決まったよ。とりあえず、ここから南に行った所にあるキリリカって街に行く」
「畏まりました」
ミカエラはそう答えると、姿を消した。
「ミカエラ?」
『大丈夫ですよ?理人様。私は常にお側に居ります。言葉にせずとも、心で念じるだけで私には伝わりますから』
『あ、そうなんだ?便利だな』
『そうしないと、一人で喋る痛い人に理人様が見られてしまいますから』
『それは、普通に嫌だな〜』
嫌そうな顔で気持ちを伝えると、ミカエラが苦笑した。
『とりあえず行きますか』
『はい、理人様』
俺達はキリリカの街に向けて移動を開始した。
ボロカスでしたね〜女神様の扱いが。
まぁ良いですが、次回は相棒が登場します。
次回も楽しみに〜