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私は巻き込まれただけなので、すぐに元の世界に帰して下さい。  作者: NALI


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最終話



「うわぁーーーーーーーー!!!」


ウォルが苦しんでいる。



王女が駆け寄ろうとした



「私に触るな!!!」


ウォルは私達から離れていく。



私には効かない。


「ウォル、お願い見せて・・・・・」



私はウォルの腕を掴んだ。ウォルは私を拒んで全力で突き飛ばす



「ライト様、全ては解決したのです。魔法陣が消える前に帰って下さい!!」



魔法陣は私がいっぱいに魔力を詰め込んだにも関わらず、光りは弱くなっていた魔法陣が消えれば帰れない。




「私が覚えました」


アリス王女が横から声をかけた



アリス王女は1度見たものを忘れない




「ハナ様、どうかウォルトを助けて下さい・・・・・・私はウォルトに触れない。誰も・・・・・・・・・」



「わかっています。絶対ウォルを死なせない」



でもウォルの腕は紫色に変色している。




「ハナ、わかってるんだろ?絶対に助からない事を。でも私は諦めたわけじゃない。ハナ、信じて必ずまた会える。私は必ず夢を叶える」



「ウォルが今死んだら意味がない!私が守りたかった世界はウォルがいるこの世界なのだから!」




私は詠唱した

『ζευτγφξηικναδφγυθυτ・・・・』



「王女!覚えましたか?」


「え?これは・・・・・覚えても使えるかわかりません」

王女はこの魔法を知っている。


「雷斗!今、私が詠唱したとおりに言って!!」


「これは?」


「全属性が使える雷斗ならできるでしょ?ウォルの中の魔素を全部抜くの!私の魔素をウォルに送るから死なない!私の魔素なら救えるかもしれない!私にウイルスは効かないのだから!雷斗!!!早く!」


ウォルの気力は無くなって行く


「ウォル大丈夫だから!お願い頑張って」



ダイの時は体内にコアが入ったから助からなかったでもウォルはかすっただけ。



『ζευτγφξηικναδφγυθυτ・・・・』

アリス王女が詠唱したが魔法は発動しなかった


それを見た雷斗が詠唱する



『ζευτγφξηικναδφγυθυτ・・・・』

雷斗の手から魔法陣が浮かぶ


雷斗はその魔法陣をウォルに向けるとウォルの体内から緑色と青色の魔法色が放たれて行く、ウォルの魔力が私達を優しく包んでいった。




ウォルの魔素が全部無くなる前に、私は魔力を放つ。虹色から金色に変わると私はウォルの手を両手で握って、魔素を送る


「お願い間に合って!!」


魔素が戻って行く中で私の魔力はウォルの体内でウォルの魔素と変化して行く。横で雷斗がウォルの魔素を抜いているがより一層魔法色は青色と緑色が強くなる。魔素に変換されるとウォルの色になるんだ。

それじゃウイルスを倒せない


ならば傷口から直接私の魔力を当てる。


ウォルの魔素に変換されるより早く私は魔力を注ぐ

私の魔力に押されたウイルスはウォルの中で行き場を無くして行く。私の魔素に少しづつ浄化されていく紫色に変色した腕がだんだん色が薄くなっていった!



「ハナ様!」

アリス王女の瞳から抑えきれない涙がポロポロと流れ落ちる。


雷斗と2人で1時間ぐらいずっと魔力を使っていた。

私は大丈夫だけど雷斗に限界が来ていた

「ハナ・・・・・・」


「雷斗、ごめん。もう少しだからもう少し頑張って」



アリス王女が、雷斗の出した右手の魔法陣をウォルに向けたまま、雷斗の左手を握った。


アリス王女の白色の魔法色が放たれる

「王女?」


「私の魔素を使って下さい。ウォル並みに私の魔素は多くありますので大丈夫です」

王女は雷斗に魔素を送る


「アリス王女、ありがとう」


「いえ、私は大きな過ちを犯しました。これで償える事ではありませんが、少しでも役に立ちたい」

アリス王女はポロポロ泣いたままだった。


「王女も普通の女の子だったんだね」

私はポツリと言った



やっとウォルの体内のウイルス全て浄化されいなくなった



ウォルの腕は魔力の当てた後と擦り傷が残った。

だけどウォルは目を覚まさない



「大丈夫・・・・・だよね?」



私はアリス王女と雷斗を見る。



アリス王女がためらいなく、ウォルの傷口に触れる



「王女!?」

治ってなかったら王女がウイルスにおかされる!!



「大丈夫です!!私にウイルスがうつりませんでした!」ポロポロまた泣く


王女ってこんなに泣き虫だったのね。



アリス王女の膝枕でウォルは眠っている



私達はもう帰らなきゃ行けない




「空間魔法に入ったコアは元の世界に行っても、空間魔法から出て来たりしないよね?」


「空間内の時間が止まっているなら、2つに割れたままだろう?それに俺たちはもう魔法は使えなくなるんじゃないか?」



「そっか、魔法はこの世界だけ、しかも空間魔法は私しか使えない。私が帰れば、もう何も怯えなくて良くなるね。」


「ウォルを助けてくれてありがとうございました。そしてこの世界も。もう魔王の恐怖に襲われずに生きていけます。ハナ様には、たくさんの辛い思いをさせてしまい申し訳ありません。」


「もういいよ〜」


「みんなに会ってから帰りませんか?皆喜びます。」



私は雷斗を見て

「もう魔法陣消えちゃったけど、誰にも会わないでこのまま帰ろ?」


「ハナはいいのか?アルク様とかシェリーとか村のみんなとか会いたいんじゃないのか?」



「うん。でもどうやって退治したとか、歴代の勇者の500年の苦労とか知っちゃうと、きっと笑って暮らせなくなる。だから今まで通り、魔王を奥義で倒してそのまま帰った。って事にしたいかな」





「ハナ様の仰せのとおりに致します。みんなが笑顔で暮らせるようにみんなの笑顔守る女王に私はなります。そして今日のこの日を絶対に忘れません。それからウォルトの自由を奪いません。自由に生きてもらいます」



「いいの?ウォルが好きなんでしょ?」


アリス王女はせつなそうな顔をしたが気丈に振る舞って

「ウォルトが生きていてくれただけで、いいのです。もう魔王は出ません。強い者と結婚する理由がなくなりました。」



「ウォルに自由をありがとう」




消えてしまった魔法陣の後を指さして


「王女いいかな?魔法陣」


アリス王女は可愛らしく笑う


「えぇ!もちろん!!」




アリス王女は魔法陣を出した


私はその魔法陣の上から自分の魔力をめいいっぱい込める


部屋中が金色に輝きが覆う



「アリス王女ありがとう」


私は王女によりかかるウォルのそばに近寄った

「王女ごめんね」

私は王女の目に私の手で覆って視界を遮った


そして私はウォルの微笑むに

キスをした



「ウォル大好きだよ。ウォル・・・バイバイ」



ウォルから離れた私は


私は雷斗の手を握った

雷斗は少し不機嫌そうだったけど

私と雷斗は魔法陣の上に乗った


「ウォルに・・・・・・・・みんなによろしくね」



「はい!本当に本当にありがとうございました」


アリス王女は頭を下げたままずっと下を向く

キラっと何かが光った。

アリス王女はまた泣いていた




雷斗は私を見て

「ハナ、帰ろう!」

「うん」


魔法が発動する



私達は金色の光りに包まれた







頭の中に何かが話しかけた


『お二人に祝福を』




え?そこはありがとうとかお疲れ様じゃないの?



と変な事考えてたら



光りはスーッと消えた・・・・・・・・・




私達は帰って来た。見た事ある風景、匂い。澄んだ空気の香りが私達を現実に引き戻す。



「帰って来たんだな」


「うん」


今日が何日なのか気になる



でもその前に


「明日、またここに来るか?」


夕日が見えた。


憧れの場所


「ううん。今答える。」



雷斗は真っ直ぐ私を見た



「雷斗、ごめんなさい。私はもう誰とも付き合えない」


「ウォルか?でももう会えないぞ?それなら俺じゃだめなのか?」


「あの時から返事は決まっていたの。心が何でかダメって言ってた」


「そっか。ウォルの怨念は異世界を超えてたんだな」


「何それ、怖いよ。」

私はケラケラ笑った。

雷斗は優しく私に微笑んだ



「雷斗、あのコアってどうやって生まれたんだろうね」


「さあな。傲慢になっていった人間への罰か、人間の嫌な気持ちとかが集まった集合体だったのかもな」


「そっか・・・・」


雷斗が

「じゃあ怖いけど確認に行こっか」


そう、怖い。今が何年何月何日なのか。



2人で裏山の高台から学校に向かって降りていく。


校舎から一人の女生徒がエプロンをつけて出て来た


「ハナーーーー!どこ行ってたの?もうチーズケーキ出来ちゃうよ?めっちゃ探したよ!もう」



私は雷斗を見た。

「ちゃんと帰れたね」


私の瞳も雷斗の瞳も涙が溢れていた。



「ハナ!?どうした?雷斗がまたいじめたの?」


「バカ!んなわけないだろう?」



「あ!そういえば、ハナにお客さんが来たよ〜。今日転校してきたんだけど、ハナの昔からの知り合いって。知ってる?」



後ろから声がした


聞き覚えがない


「ハナ!ライト様!」


でもこの呼び方



私達は振り返った


そこには黒髪の少し薄い茶色の瞳の男の子・・・・・・・・・


顔はめっちゃイケメン・・・・・っていうか顔はまるで



「ウォルか?」

雷斗が恐る恐る聞いた。


「すぐにわかってもらえて良かったです。今の名前は・・・・」


「ウォル!?何で?ここにいるの?」


「目が冷めたら二人はいなくて、王女に二人の事を聞いたんだ。私は自由になった。だから覚えた魔法陣でハナに会いに来た。異世界転移はできなかったんだ。体が何故か消滅してしまったよ。気づいたら転生してたみたいだよ。」



「そんな事ある?」


「ウォル!!」

雷斗はウォルに駆け寄って抱きしめる。


「えーライト様・・・・・ここはハナとハグさせてくださいよ」


その言葉に雷斗はもっとウォルを抱きしめた。

「ダメだ」


ウォルと雷斗と私は3人で笑った。

たくさん。



「転生って赤ちゃんとして生まれたの?」

「あぁ。前世を思い出したのは、1ヶ月前。生まれた時に手に握っていたらしい」

ウォルは手の中の宝石を見せてくれた

それは私の耳についているピアスと同じ宝石。



「ウォル・・・・・・・」




私はウォルに優しく微笑んだ




「探した?」


「あぁ。めっちゃ探した。でも私は予知夢で見ていたよハナの世界で私はハナの隣に立っていて、幸せそうに笑う二人を」








今回で最終回です。最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] チーズケーキで 時と場所を確認できるのが、 ハナの物語の終わりに相応しく 可愛らしいですね。 雷斗とウォルのハグで、最終話の寂寥感を 笑いと明るい 未来で塗り替えた、理想的なハッピーエ…
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