表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は巻き込まれただけなので、すぐに元の世界に帰して下さい。  作者: NALI


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/70

第62話 思わぬ出発


北の入口から禍々しい空気を纏った魔物が見えた。



え?



昨日の2匹が村に来ていた。


「アルク様、昨日の魔物ですよね?」



「んーそう見えますが」



「ハナ、話しかけて見たらどうかな?」



「いいけど、村の中からは無理ですよ、一旦村から出出ますが?」

私はアルク様を見た。


「はい大丈夫です。出た瞬間に結界を張りますので」


「ありがとうございます」



私は急いで村を出た!続いて雷斗とアルク様も結界は魔物も中にいれなくては行けないので、半径5m位で張ってくれた。


「じゃあ魔物の近くに行くけど、2人は距離保ってね」

2人はうなずいたので、私は魔物に駆け寄った。






「・・・・・・・・・」



アルク様が難しい顔になっていた。



雷斗が

「どうかしたのですか?」


「ハナ様が心配するだろうから、言わないで下さいね」


「はい」


「結界内に我々と魔物以外にもう一人います」



「え?村の方ですか?」



「それならばすぐに、私達に声をかけるでしょう。半径5m位の中に黙っていると言う事は、我々に気づいて欲しくないからじゃないでしょうか?」



「なるほど、では王女が監視してたかもですよね?」


「わかりません。王女様なら堂々と見張りをつけそうですが、しかも見張りをつける理由はハナ様が勇者だと気づいたから?雷斗様に見張りをつけるくらいならそもそもアロニーの村の滞在を許していないでしょう」



「ウォル?ウォルの家の者かも」


「可能性は高いですね。どうしますか?」


「ハナは無駄な殺生を嫌がる。ウォルの家の者ならそれは理解しているのだから、今どうこうすべき事はないだろうが・・・・・・・・・」



「このままハナ様が魔王のところに向かうと言い出したら?」


「ハナは嫌がるだろうな・・・・」



「どちらにしても、ハナ様の次の行動次第ですね」








「アルク様!雷斗!急を要するの。もう魔王に会いに行くわ」


私は真剣な眼差しで2人に告げた


「魔物は何と?」


「魔王が私に会いたいと、会わなければ全てを崩壊させるって」

多分魔物達の嘘だとわかる魔王が全てを崩壊させるつもりなら、すでに崩壊が始まっていてもおかしくない。





『おい!お前!そいつら連れて行かないぞ!』


魔物が私の後ろから話しかけて来た。


「魔物が威嚇しているのか?」

雷斗は剣を魔物に向けた


「雷斗!やめて!大丈夫だから」



『ねぇ、違うのこの人達は私達を無事に魔王様のところに連れて行ってくれるのよ中までは私とこの人の2人で行くわ』

私は雷斗を指さした


『ダメだ!魔王様はお前って言った。他のやつは言っていない』


『魔王様は知らないのよ。私達が2人で1つって事をだから、あなた達先に魔王様のところに帰っていいよ。私はあなた達の後を魔法で追うから、魔王様に伝えて。「私達はこの世界に2人で来た」と』


『あー!?それ言ったらわかるのか?』


私は魔物の頭に触れた


「ハナ!気をつけろ」

「ハナ様おやめください!」

私は2人を見て

「大丈夫だから」




魔物はびっくりして

『何?』

『ずっと気になっていたの。あなた達は魔王様に優しいのね、私も仲良くなりたい』


『なるわけないだろ!』



『大きい方の君が「ダイ」小さい方「ショウ」なかなかいい名前でしょう?』


私は2匹の頭を優しく撫でた



『僕が「ショウ」?』ショウと呼ばれた魔物は嬉しそうに返事した。


『呼び名なんかいらない!』ダイは気に入らないというが私の手を払い退けたりはしなかった。


『ショウは喜んでくれたのに。まーいいわ。とにかく先に魔王様のところに行って。後で追うから、魔王様が雷斗の存在を嫌がるなら迷いの森で中まで通さなくていい。』

私は2人の頭から手を離して先に言ってとジェスチャーした。



ショウは嬉しそうに

『わかった。魔王様に聞いてくる、ついて来てね』


『えーわかった』


魔物達は先に森へと向かった。





雷斗達には魔物が威嚇しているようにしか見えなかったらしい


「ハナ、あんなに威嚇していたのに、魔王のところに行くのか?」



「今すぐ行く・・・・」




アルク様がシーッと自分の唇に人差し指を立てた。



その時私達の上空を蝶が通りすぎて行った。




え?



あれって




「やはりウォルト殿の家の者ですね」



「どういうこと?」



「どうも見張られていたようだよ。今の会話も聞かれただろうね。ハナどうする?」



「嫌だ、見られたくない」

私の顔色は悪くなる



「では、ハナ様、ライト様は先に森へと向かって下さい。迷いの森の前まで瞬間移動がいいでしょう。結界から外れるので王女様にバレますが、迷いの森は入ってしまえば誰もたどり着けません。急いで向かって下さい!」



「アルク様とここでお別れなんて・・・アルク様ありがとうございました」

嫌だけど仕方ない

私と雷斗は深々と頭を下げた。



「ライト様急いで!」


アルク様が叫ぶ




雷斗は私の手を握った

魔法陣が浮かび私達は光の中に包まれた



アルク様と隠れていたもう一人がこちらを見ていた

とても悲しそうに切なそうに、




「シェリー・・・・」




私と雷斗はその場から消えた









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 魔王とハナは同じ考えのようですね。 どの時代でも厄介なのは王国側? [一言] 王女(王国)に真実を明かさず解決しようとしたのは、時間がなかったからでしょうか。 お世話になった人達…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ