表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は巻き込まれただけなので、すぐに元の世界に帰して下さい。  作者: NALI


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/70

第55話 超える


コンコンコン


「ハナ様!ハナ様?」

シェリーが玄関の扉を叩いた。



私は扉を開けて

「シェリー?どうしたの?もうアルク様の家に行こうとしてたところだったけど、遅かった?」


「いえ、ハナ様が今飛ばした式が見えたので、何かあったのかと心配しました。」

シェリーは少し慌てた様子だった。



「え?シェリーからもらった紙で、ウォルに送ったんだよ?」



「はい・・・・そうですか。色が違ったので・・・・今まで見た事がなく、何かあったのかと。申し訳ございません。勝手な判断でした。」


シェリーは元気そうな私を見て、安心して優しく微笑んだ。


心配かけちゃったなぁ。でもどうして色が変わったんだろう?



「アルク様の家に行こう。シェリーにお願いしたい事があるの!」


「はい!かしこまりました。」


私達はアルク様の家に行った。






「アルク様!?何で外にいるのですか?」



「お待ちしておりました。中へどうぞ。」


アルク様は扉の前で、私達を待っていた。

まさかずっと外で待っていたって事ないよね?その行動って私が勇者だから?そーゆーのみんなにバレるんだけど

シェリーは私にだけ聞こえる声で

「ハナ様、アルク様は外で待っていたのでしょうか?何だか申し訳ないです。」


私はアルク様に後で注意しようと心から思った。




アルク様の家の中でシェリーがお茶の準備をしてくれている。その間にさっきのを聞いて見ようと思った。




「アルク様、私の魔法をお見せする前にお聞きしたいのですが」


「ん?何かあったかな?」



「先ほどウォルの紙・・・式って言うのですよね?」



「そうだね。普段はただの紙なんだけど、ウォルト殿の魔力が込められているから、少しの魔力を込めるだけで、ウォルト殿の元に戻るように、魔法をかけてあるはずだよ。」



「その式なんですけど、今まで白い蝶に見えていたのですが、先ほど私が飛ばしたのは、虹色になってしまって。シェリーが驚いて訪ねて来たのですが、それって過去にない事なのですか?」




「色が変わったの?」



「はい」


アルク様は少し考えて、お茶の準備をしているシェリーに聞こえないように、私が座っているソファの側まで来た。


「それは、ハナ様がウォルト殿の魔力を超えたのでしょう。ウォルト殿の魔法を吸収までは言いませんが上書きしたと言えばわかりますか?」



「なんとなく、でもウォルはこの国で1番強いのですよね?」


「はい。なので私はウォルト殿の式に自分の色をつける事は出来ません。ウォルト殿の式に色をつける人は勇者様以外いないかと思います。」



「じゃあ私が勇者と認識したから、ウォルを超えたの?」



「超える魔法を手に入れたのでしょう。」



あ・・・・・『奥義』




『極封印』




「あの魔法1つ覚えただけで、ウォルを超えたのですか?」



「戦闘能力ではなく、魔力を超えた。というだけでも凄い事なのです。でもその魔法が何なのかわかりませんが、ハナ様は戦闘能力がありませんので、1人での魔王退治には行かないようにしてください。」



私は心配してくれるアルク様にただ頷くしかできなかった。




「ただ、心配です。その式がウォルト殿の元に着く前に王女様に見つからなければいいのですが。王女様はハナ様の魔法色は知っていますか?」



え?



「1回だけ見られたかもです。王都を出る時に村までの『安全なる道標』を使いましたが、はっきり見たかどうかの確証はありません。」


「王女様なら見ていますね。王女様の凄いところは記憶力が素晴らしく優れています。1度見た物は絶対に忘れませんし、間違えません。」



「王女ってそんなにすごいのですか?」



私とアルク様との会話に入らないように、そっとシェリーは近くのテーブルにティーセットを用意してくれていた。



「あ!シェリー、ありがとう。ごめんね、全部任せてしまって。」



私は会話を聞かれていなかったか、心配になった。


「フフ、そんなに仲良くアルク様とお話ししているのをウォルト様がご覧になったら、嫉妬してしまいますね。」



シェリーはクスクスと笑った。


私はシェリーの言葉に顔が赤くなって行く。

「ウォルは、そんなんじゃないの」


両手で赤くなった顔を仰いで冷ます。




シェリーは、何も聞こえていないようで、良かった。



シェリーに心配かけたくない。


それに今から魔法の実験台になってもらわないといけない。私自身で試したから絶対大丈夫だけど、『物質移動』普通なら受けたくないお願い事だと思うから。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ