第45話 これからの事
私が話し終わったらアルク様が
「ハナさん、今日の状況を伝えたい人がいるんだ。その人に今の話しを伝えさせてもらっていいかな?私が村から離れてハナさんについて行く為に、この村を守ってもらい。それにハナさんに頼みたい事がその人にはあるるはずだから」
「アルク様がそういうならかまいませんが」
ん?この話しができる相手ってウォルしかいないよね?
雷斗が慌てて
「それなら俺がハナについて行く!いいだろ?ハナ」
「雷斗は明日もこの村にいて大丈夫なの?王女に怒られちゃうよ?」
私達が話している間にアルク様は紙にスラスラと文字を書いた。そしてその紙は自分で蝶に変化して窓からその蝶は飛んでいった。
あれってやっぱりウォルだ。ウォルはここに来れるの?アルク様が私の面倒見るから来たらダメって王女に言われていた。
ウォル・・・・・あんなに優しくしてくれて、楽しい時間をくれた。この世界で絶望せずに幸せだった。やっとお礼のピアスも渡せたから、私はもうウォルに会いたくない。気持ちが揺らぐのがわかるから。
私が難しい顔をすると
「ハナ、俺今から王都に帰って王女を説得するから。だから俺にも頼って欲しい」
「雷斗、ありがとう」
ごめんね。今私はウォルの事考えてた・・・・
「でも王女が許すかな?」
アルク様は苦笑いになって
「無理かもしれないね。でも『奥義』を知る為に私から修行を受けると言えば可能性はあるかもしれない。それに勇者様の特殊能力は・・・・・・」
アルク様が難しい顔になって黙ってしまった。
雷斗はなんとなくアルク様の言いたい事がわかっているみたいで、
「俺、強くなって必ず『奥義』を取得します。だから本当に俺に指南して欲しい。可能性があるなら、どんな事でもチャレンジしたい。ハナを危ない目には合わせない」
ん?私?
「ハナ、一旦王都に帰るよ。明日の朝までになんとかして戻るから。日が昇るまでは待ってて」
「うん。なるべく村の人達に心配かけたくないから、早めに出たいと思ってたの。日が昇りだしたら、出発するね。」
「あぁ、わかった。それじゃあアルクさん、いえアルク様!あなたを私の師匠になってもらうとお願いして来ます。」
雷斗はもう、アルク様に指南してもらう気みたい。
王女が許すかな?あんなに私に雷斗を合せるのを拒んだ人だよ?きっと無理だ。次に雷斗に会えるのは魔王を倒した時かもしれない。
「雷斗、前にきつい事を言ってごめんね。雷斗に次に会えるのは、魔王を倒した後かもしれない。でも私は必ず一緒に元の世界に帰るから。雷斗を信じる。何年かかっても帰る希望だけは失わないでね。」
「ハナ、許してくれてありがとう。」
雷斗は優しく私に微笑んだ。
雷斗は金色の魔法陣を地面に出した
『瞬間移動』
そう言うと雷斗は一瞬で消えてしまった。
「アルク様、さっき言っていた人ってウォルですよね?」
「そうだよ、私は君に謝りたいんだ。」
そしてアルク様は王都についてからの王女とのやり取り、魔物がどんな感じだったかまで、全てを話してくれた。
「そうですか、髪飾り受け取ってもらえなかったのですね」
アルク様にかける言葉は全て意味のない感じになっている気がした。王女はそんなにもウォルが好きなんだって思い知らされた。だから、もうウォルにはもう会えないんだと実感する。
2時間ぐらい、アルク様と話し込んでいたら
「もう、ついたみたいだよ。」
え?
ウォルじゃないのはわかるけど、誰?
私とアルク様は村の入口に急いで向かった。




