第43話 勇者の意義
「勇者様どうぞ。ハナさんも。」
私もアルク様の家に招かれた。
アルク様に私も話があるんだけど。まずは雷斗が帰ってからじゃないと話せない。
「ありがとうございます。アルク様、あの・・・・例の物は・・・・・。」
アルク様は雷斗にわからないように
「頼まれた商品は無事に納品してきたよ。クライアントは、満足していたよ。」
満足していたという言葉・・・・・喜んでいたって事だと思う。
良かった。ウォルとの約束守れて本当に良かった。
私が元の世界に戻ってもこのピアスが無くならないよね?だって向こうから来たとき、着ていた制服はそのままだったから。
私がホッとした顔をすると、雷斗が不思議に思ったのか「ハナの商売は上手くいっているのか?」
「勇者様、ハナさんが作る物はリーズナブルで貴族ではなく、平民の方々の購入を望んで作っているんですが、口コミで貴族の方々にも人気が出てきているのですよ。」
「へー、ハナは凄いんだな。ハナは何の魔法が使えるか聞いてなかったな。」
私は魔法を聞かれたくなくて話をそらした。
「私の商品を知らなくて大丈夫だよ。雷斗は城下で遊ぶ事もなく、毎日頑張って訓練している証拠だね。そんな雷斗は偉いと思う。」
「そうでもないさ。俺は歴代で最弱の勇者なんだ。ここ最近はウォルが訓練してくれて、ある程度強くなったけど、Aクラスの魔物になると、1人では・・・・あ!ハナは魔物を倒すのが嫌だったんだよね?」
え?
「そうね。あの時の魔物は殺して欲しくなかったけど、今回王都に出た魔物は、アルク様がいて倒すと判断されたんでしょう?だったらきっと倒すしか方法はなかった。違う?」
「なんで!?なんでハナがわかるんだ?あの場にいなかったのに。」
「アルク様は・・・・・少しだけ私と考え方が近い気がするの。」
アルク様は少し驚いた顔をして
「ハナさん、ハナさんは私を買いかぶり過ぎな気もします。しかし王族の方は全ての魔物の抹殺を考えているのでしょうが、魔物全てが悪いと私は思いません。人間にも悪い人はいますがその少数のせいで人間全てが絶滅させられないのですから。500年の平和な世界が一気に恐怖の時代がやって来た事で、全世界がパニックになっています。仕方ない事ですが。」
「そうか、そうだよな。あの時ハナはそれが言いたかったのか?」
「少し違うけど・・・・・」
雷斗に言うか悩む。私がもらった特殊能力
『共通言語・体感対応・ウイルス拒否・ギフト』
の事を。
雷斗がもらったのは
『ハナを守る力』
差がありすぎて気になる。
「そういえば、どうして雷斗が最弱の勇者なの?金色の全属性の魔法が使えるのに。」
「俺1人では、いまだにAクラス以上の魔物を1人で倒せない。それに魔王を倒すには、奥義がなくちゃいけないらしい。その奥義がわからないんだ。技術が身につくのも遅かったからな。」
「そうなんだ。」
こんなにも努力してても、異世界から来てすぐに魔王退治に行けない。個人差があるのね。だから1週間で倒した勇者10年かかった勇者さまざまなのね。
「奥義についてわからなければ、このまま一生魔王退治にはいけない。」
「え?それって文献に載ってないの?」
「あぁ。奥義にて退治って書かれているだけらしい。でも俺が使える魔法は、誰かが必ず使えるから。全属性使えても。たった1つの奥義がわからなければ、意味はない。」
「そうなんだ。」
私は愕然とした。
帰る見込みが今の所、ゼロって事なのだから。




