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私は巻き込まれただけなので、すぐに元の世界に帰して下さい。  作者: NALI


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第42話 村に帰還



『村への安全なる道標』

私の虹色の光が村へと向かって指す。


私達は村へと歩いて帰る事にした。

雷斗の瞬間移動で、10人以上の移動は魔素を使いすぎるらしい。




「あの、ハナごめんな。」


雷斗は話しづらそうに声をかけて来た。


「何?」私はあえて冷たく返事した。


「ハナはまだ、怒っているんだろう?」

「怒ってない。雷斗がどんな人かわかっただけ。」


「ハナ、俺はハナがいなきゃだめだ。ハナに嫌われたままこの世界を救う何てできない。」


「だから怒ってない。私がいてもいなくても雷斗のやるべき事は決まってるはずよ。」


「それはそうなんだが。」


「ハナさん、その会話の続きは村に帰って私の家で話そうか。みんなが注目しているよ。」



私が振り返るとデリックさん達10人ぐらいの鉱山で働いていた人達が私達の会話に注目していた。


ちょっと、恥ずかしい。私は顔が熱くなるのがわかった。


「と・ところで、アルク様1人なら、村に戻るのが早すぎるし、雷斗の瞬間移動で来たって事は村の結界異常に気づいたんですよね?一旦、村に行きましたか?でもそれでも私が村を出たのは、結界異常から2時間後ですが。」

私は顔が赤くなったままアルク様に話しかけた。


「はい。村には、一旦寄りましたがクレアさんに状況を聞いて、また勇者様に頼んで瞬間移動で鉱山に来ました・・・・・・・・・。」


アルク様の表情が暗い!?


「ハナ、俺から話すよ。」

雷斗が横から会話に割り込んで来たけど



「いえ、ちゃんと私から村に帰ってから話します。」


何かあったの?何か雰囲気がおかしいよね?




それから村まで、何でもない会話をしながら戻った。







村では、クレアが私とデリックさんを見たとたん我慢していた涙が溢れ出した。


「クレア心配かけたな。俺たちは大丈夫だ魔物にも遭遇していない。村のみんなもありがとう。」


デリックさんがみんなを代表して、御礼を言ってくれた。


「ハナ!もう無理しないで・・・・でもお父さん達を助けに行ってくれてありがとう。」

クレアは私に抱きついて、泣きじゃくった。


私もクレアの涙につられそうになる。



「魔物には追いつけなかったの。でも念の為に花火で鉱山に近づかないようにしただけで何も役に立たなかったのよ。」

私はエヘっと笑って見せた。


クレアもニコッと笑ってくれた。



村のみんなも歓声をあげて喜んでくれた。



アルク様が急に

「皆さん、申し訳ない。」

大きな声で謝ってきた



「アルク様?」


村のみんなも私も突然の謝罪にびっくりしている。



「さっき私が聞いた質問に関係していますか?」


アルク様は悲しそうな顔をする。

「そうですね。私が勇者様とこの村にはじめ、戻って来たのは結界異常に気づいたからです。」


「結界に異常があったのは1回だけです。だからアルク様は馬で村に帰って来れるのは3時間後だと思っていました。若しくは、王都の結界で気づかないままなのかと。」


気づいたなら、3時間かかってたはず。でも2時間で雷斗の瞬間移動で帰ってきた。



雷斗に頼むのに時間がかかったとしても2時間はかかりすぎだよね?


「結界異常に気づいていながら、私は村を守るより王都を守っていたのです。皆さんが怖い思いをしていたのに、すぐに帰れなかった。本当にすみません。」



雷斗が慌てて

「アルクさんは悪くないんだ。王都にも魔物が同時に出たんだ。アルクさんは村に帰ろうとしたんだ。王都の魔物は俺とウォルに頼んで。でも王都の魔物はAクラスらしく俺ら3人で倒すしか方法がなかった。すまない。俺が弱いから。」


「勇者様・・・・・・」



デリックさんや村の人達は、不思議そうな顔をした。


クレアが

「アルク様と勇者様がどうして謝るのですか?村は無事ですよ。」


デリックさんたちも

「いつもアルク様が村を守ってくれているおかげでオレ達は、安全に暮らしているじゃないですか。謝らんでください。オレ達はいつも感謝しかありません。」



「皆さんありがとう。」

アルク様の瞳には涙が溢れそうだった。

それだけでアルク様の気持ちが伝わって来る。




「それにハナがいたから。私達は自分たちのやるべきことをがんばれました。」


え?私?


「アルク様見てください。この見張り台みんなで協力してハナが作ったんですよ!」

クレアが自慢気に見張り台を指差す。


「これは凄い!」


アルク様も驚いている。


「アルク様、この村の方々は凄く心が強いです。みんなでアルク様が帰るまで頑張りました。それに1人もけが人はいません。魔物もいなくなったし。だからアルク様が謝ることなんて1つもないですよ。」

私がアルク様に優しく微笑む。

そして

「雷斗、アルク様を連れて来てくれてありがとう。」

私は雷斗に頭を下げた。



「ハナ・・・・俺が弱くて本当にごめん。」


「雷斗は弱くない。きっといっぱい努力しているんでしょう?」

私はニコッとした。


「ハナ許してくれたのか?」


「前回の話しとは別ですけど!」


雷斗はガクっと肩から崩れた。



「勇者様、とりあえず私の家に参りましょう。」

可哀想に思ったアルク様が雷斗に声をかけた。





「ハナ、本当にありがとう。また明日ね。」

クレアは嬉しそうに手を降った。



「うん。また明日ね。」



明日・・・・・いつ魔物達のところに行こうか。

アルク様に相談したいけど、雷斗いつまで村にいるんだろう。



雷斗とちゃんと話したいけど、今日はもう帰って欲しい。



私の本音が口に出そうだった。






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