第34話 心を込めた贈り物
「ずっと悩んでいましたけど、プレゼントは決まりましたか?」
「あぁ。やはりこれにしよう!私がデザインして、ハナさんがドライフラワーにしてくれた薔薇で作った髪飾りに。」
その髪飾りは白い薔薇をドライフラワーにして銀の髪留めに3輪つけてある。銀の部分はアルク様がデザインして細工してある。細かなデザインは光に当たるとキラキラ光る。
王女様は普段ティアラをつけているが、お忍びは何もつけていないらしい。そんな時につけてもらえればとの願いが入っている。
アルク様には言ってないけど、白バラの花言葉は純潔
そしてドライフラワーにすれば永遠の愛
って言われている。
アルク様にピッタリ。偶然に選んだものなんだけど。アルク様の想いが凄く入っていると思う。
それに、アルク様やこの世界の方はドライフラワーを知らないから、きっと喜んでもらえる。
「私もそれがいいと思います!」
アルク様は少し顔を赤くして、
「ハナさんありがとう。」
赤くなった顔で優しく微笑んだ。
数ヶ月一緒にいて思ったけど、アルク様は嬉しいとか幸せとかの気持ちが大きく出ると、オーラの色はっきり見える。とっても優しくて綺麗な赤。
私はアルク様の赤い色が好きだ!優しくて温かい気持ちになる。
アルク様の片思いで、叶わない想いらしいけど、こんなに離れた場所で王女を守っている事をわかってもらいたい。
「ハナさん!魔物が出ていなくても、村からは絶対に出ない事!結界に誰が来ても外に出たら、ダメだよ!それと魔物の声が聞こえても私が戻るまで、話したらダメだよ!王女様が気づくからね。」
「はい!わかっています。」
真剣な顔で答えた。
アルク様には最初に魔物の言葉がわかる事を伝えたら、もう一度その場を見たいと言われた。でもこの村に来てから、あれ以来魔物は出てきていない。
そして私はニコッと笑って
「王女のプレゼントはついでなんですよね?」
私の皮肉がわかったようで、アルク様は
「王女様が一番だろ?」
ニヤニヤしてアルク様は答えた。
そして優しい笑顔に戻り、
「冗談だよ。ハナさんの大事なピアスの片割れをウォルト殿に必ず届けるからね。」
私は満面の笑みで
「ありがとうございます。アルク様!」
私の右耳はすでに虹色のピアスがついている。
もちろん左耳には、ウォルにもらった魔力の結晶で作った青色のピアスをずっとつけている。
私はこのピアスに魔力を流して、ウォルを呼ぶ事はしない。
私は、自分の気持ちが揺らぐのが嫌だ!帰ると決めたら必ず元の世界に帰る。
今から、考える事は雷斗が魔王を倒す瞬間に私も近くにいること!
数ヶ月考えてみたけど、魔王を見なければ、どうしていいかもわからない。
魔王って人間と同じ姿なのか、
動物みたいなのか、
誰も姿を見ていないから、対処方がわからない。
今度魔物にあったら聞いてみたいと思っている。
自分の王を倒す相手に教えてくれるかわからないけど。
それと、雷斗が仕上がって来ているのだけはわかる。
私は置いてかれないように、頑張るしかない。
攻撃も防御もできない私は、アルク様を頼るしかないかもしれない。
でもそれだけは、お願いしたくない。
アルク様を危険な戦場に連れて行く事になるのだから。
「じゃあ明日の朝には戻る予定だけど、一泊すれば夕方になるかもしれない。何かあったら使役を飛ばすから。」
「はい!わかりました。アルク様もお気をつけていってらっしゃいませ。大人しく雑貨作って帰りをお待ちしております。」
アルク様はすぐ帰れるように、馬で王都に戻って行った。
アルク様が王女にプレゼントが無事に渡せますように。
私は心がざわついていた。
アルク様が王女にプレゼントを渡せるか心配だからなのか
ウォルがピアスを喜んでくれるのか心配だからなのか
雷斗の心がこれ以上この世界に染まっていないか心配だからなのか
魔王がアクションを起こして来ないか心配なのか
わからないけど、胸が心がざわつく。
あまり心地良くない。アルク様早く帰って来て下さい。




