第28話 アロニーの村Ⅶ
「ハナさん、私は王女様よりウォルト殿の魔法に虜になってしまったんだよ。私には王女様に選んでもらえる資格なんて最初からなかったんだ。」
「アルク様、私はまだ子供で愛がよくわかりません。でもその涙は王女が好きって事でしょう?ウォルの魔法はさすがに凄いですよねー。私も見惚れてしまいますが、アルク様の魔法も綺麗でした。ほら!空に打ち上げてくれた魔法。私の世界では花火っていうのがあったんですよ、それにそっくりでとても綺麗でした。それに、初めて魔法を見せられたら誰だってびっくりしますよ。ウォルが悪い!!んーでもウォルのおかげで王女が助かったのだからウォルはエライ?」
私が1人で喋っていると、アルク様はクスクス笑いだした。
「ハナさんは面白いね。ウォルト殿じゃないけどハナさんに興味が湧くよ。」
整った顔でまっすぐ見られて私は顔が赤くなった。
「アルク様!そういうのに慣れてないので、あまりからかわないで下さい。」
アルク様は王女が好きなのだから私なんて眼中にない。自意識過剰で自分が恥ずかしい。
「ハナさんは、聞き流したけどウォルト殿の夢が気にならない?」
あー異国の・・・・・・・って!!!!
私は顔がまたまた赤くなった。
「異世界からの女の子だったんだね。ウォルト殿は正しかった。彼はずっと予知夢を見ていたんだ。小さい時から。」
ウォルはずっと私を待っていたの?
会えるかわからないのに?
「アルク様・・・・・・私は必ず元の世界に帰ります。なので、私が帰ったらウォルにはちゃんと結婚して幸せになってもらいたいです。実は・・・・ウォルに惹かれる自分がいるのもわかっていました。だから早くウォルから離れたかったんです。別れが辛いから。」
「ハナさんは勇者様とこの世界に来たと聞いたけど?勇者様は婚約者ではなかったの?」
「違います!!彼に告白されましたけど、私の気持ちを返事する瞬間にこの世界に来てしまったから、返事ができなかったんです。」
「この世界に来て、返事はできなかったの?」
「あの場所がいいのです。私の世界で私がもっとも大事にしていた場所に連れて来てくれたから、ちゃんとあの場所で答えたい。」
私は少し考えて
「それに、この世界で返事してしまったら、私達は元の世界に帰りたくなくなる。そうなったら困るでしょ?」
「そうなのかな?」
「私どこでも生きて行けそうな気がします。住めば都?みたいな?それにアルク様、私の魔法は面白いですよ!みたいでしょ?」
そういう私に、アルク様はニコニコが止まらない。
「ハナさん、君は本当に飽きないね。じゃあ何の魔法を見せてくれるのかな?」




