第25話 アロニーの村Ⅳ
ウォルの足元の魔法陣が光る!!
「ハナ!!また会えるから!必ず!」
そういうとウォルもシェリーもアリス王女もみんなスーっと消えて行った。
「ウォルの言葉は信じるね。」
もう目の前には、誰もいないのに私は独り言のつもりで呟いた。
「どうしてみんなウォルト殿がいいのかな?」
「アルク様。これでウォルは助かりますか?」
「大丈夫だよ!王宮には良い人材が揃っているから大丈夫、無理しなければ明日には魔素は復活しているよ。安心していいよ。」
アルク様の言葉にホッとした。
「・・・・私はウォルもシェリーも大好きです。ウォルが特別に好きとかじゃないと思います。ううん。好きになっては行けない。私はこの世界の人間ではないのだから。」
「そう?好きって難しいね。」
アルク様は切なそうに微笑んだ。
あ!!!
「それより!魔物がって大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫だよ。それよりハナさんは怖がらないの?」
「・・・・」
「アルク様はお強いのですよね?」
アルク様が不思議そうな顔をした
「私!魔物に会いたいのです!そしてどうしても確かめたい事があります。」
「それは危険じゃないかな?私は結界は張れるけど攻撃魔法は火属性だから、基本的に追い返すだけなんだよ。」
それって・・・・・
「それは、アルク様はむやみに魔物を殺していないのですよね?」
「不思議な事を言うね。基本的にここの村に魔物はあまり来ないから、倒す必要もないんだよ。魔物を倒しても結局その肉は食べれるかわからないから口に出来ないんだ。死骸が多くなると疫病の原因になりからね。」
ウィルス拒否・・・・・
私は疫病にならない。私きっとどこでも生きて行けるのね。
何だか丈夫な自分に笑いが出る。
「あははは!」
「ハナさん!?大丈夫?」
アルク様はちょっと引いてる・・・・・。
「いえ!大丈夫です。アルク様!私きっと死にません。」
「どういう意味で?」
「ふふふ。全ての意味で。」
アルク様は私の頭がおかしくなったのかと、心配そうな顔をする。
「アルク様!魔物のところに行きましょう!アルク様も瞬間移動ですか?」
「いや。私は使えないから馬で行くよ。ハナさんは乗れないよね?」
「はい。今日は一緒に乗せて下さい!明日から乗れるように練習しますので」
「ハナさんは凄いね!自分の思い通りに行かない世界で
こんなにも前向きに生きているのだから。」
「ほら!アルク様急ぎましょう!魔物が離れて行ってしまうかもですよ!」
「それならそれで大丈夫じゃないかな?」
「いえ!私が会いたいのです。」
「・・・・・会いたい・・・か。」
私は『魔物への道標』
と唱えた。
私の虹色の光は村より北を差した。
「ハナさん!あなたの魔法は虹色なのか?」
アルク様の瞳が輝き出した!!
「もう!後でゆっくり話しましょう!アルク様との生活は始まったばかりですよ!」
私に背中を押され、アルク様は馬小屋へと向かった。
私を前に乗せ、アルク様は後ろから私を抱き込むように手綱を握った。
アルク様!二人乗りって恥ずかしいのですね・・・。
明日からめっちゃ練習します!!と私は心に誓った。
虹色の光を頼りに馬でかけるとあっという間に魔物がいる場所についた。
「アルク様。私がいいと言うまで攻撃しないで下さい!そして、王女にこの光景を見られたくありません。」
「あぁ。大丈夫だ!私も見られたくないからいつも追い返す姿は結界で隠している。」
その言葉に安心した。
私は馬から降りて、禍々しい空気が漂う方に向かった。
『ここどこだよ!お母さんどこ?』
馬のように見えるけど、纏わりつく空気は魔物独特の禍々しい空気。
魔物でまちがいない。
『君はどうしてここにいるの?』
『誰だ!僕を殺しに来たの!』
魔物は戦闘態勢になった!
『私に君を殺せないわ。』
『人間は嘘つきだ!信じない。』
『何かあったのね?』
『ずっと僕はお母さんと一緒だったのに!急に森の中に入ったら迷子になって、何とか戻ったのに、人間がお母さんを連れてどっか行ったんだ!!』
『森の中は今あなたが纏ってる空気が流れてなかった?』
『そんなの知らない!』
『そう。君のお母さんを一緒に探してあげる。だから私のお願いを聞いてくれない?』
『人間は信じない!』
そう言った魔物は私に向かって襲いかかろうとした!!!
「ハナさん伏せて!」
私が伏せると、アルク様はその魔物の足元に『業火』の魔法を使った。
魔法は魔物を焼くことはなく、
魔物は驚いて無傷で、森の奥へと帰って行った。
「ハナさんごめん!!」
アルク様が私に駆け寄って来た!
「あれ以上は危険だった」
「いえ。アルク様助けてくださって、ありがとうございました。そしてあの魔物を殺さないでくれてありがとう。」
その言葉に、アルク様は驚いた顔をした。




