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私は巻き込まれただけなので、すぐに元の世界に帰して下さい。  作者: NALI


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第21話 旅立つ朝



深い・・・・・綺麗な湖の中に包まれるように、私は寝ている。『気持ちいい』でも私を呼んでいる?


・・・・・・・・・



「きゃーーーーーーーーーーーっ!!!!」


ん?シェリー?


「ハナ様!ハナ様!すごいです!」


シェリーの声で目が覚めた・・・・・。


まだ眠っていたいような気持ちのいい眠りだった。


眩しい光が部屋に差し込んで、眩しさで目を覆う。


「シェリー、見たのかい?」


カタン

「ウォル。」

ウォルが隣の部屋から、出て来た。


「はい!ウォルト様。これは、何とも言えない素晴らしさです。」


「何が?」


私が寝ぼけた頭で何とか答えた。


「ハナ!寝ぼけた姿もかわいいね。」

ウォルのその言葉に、寝起きだった事にハッと気づいた。私は顔が赤くなり、

「ウォル!少しだけむこうを向いてて!!」


ウォルとシェリーはクスクス笑っていた。


『クリーン』

私は自分にクリーン魔法をかけた!

「シェリー!髪の毛大丈夫かな?」


「はい!先ほどまでの寝癖も全て整っております。」


「あーん!やっぱり寝癖あったのね!」



「ハナ!もういいかい?私にもクリーン魔法をかけてくれるかな?」


「うん!もういいよ。」

振り返ったウォルは相変わらずイケメンで、私と同じ寝起きに見えない。


私はウォルに『クリーン』魔法かけた。

もちろんシェリーにも。シェリーは最初は申し訳ないと言って断ったけど、私が連れてきてしまって申し訳ない。って言ったら素直にクリーン魔法を受けてくれた。


「ハナ様!とっても良い香りがします!」

シェリーはとっても嬉しそう!

良かった!シェリーに喜んでもらえた。



「ハナ!こっちに来て見て。シェリーはこれに感動したんだよ!」



ウォルは小屋の扉に立って外を指さした。


私も扉の方に向かうと昨日は暗くなっていたから気づかなかったけど、

木の上に建てた小屋は見渡しがよく!ちょうど東を向いていたのか朝日が昇って行く瞬間だった。


「キレイ。」



「あー。とっても綺麗だ!こんなに綺麗な朝日をハナと見れて私は嬉しいよ!」

ウォルは私に優しく微笑んで、私の頭をポンポンと撫で

た。

その甘い空気に私は飲み込まれそうになる。



ダメだ!!



私は両手で自分の頬を叩いた


パチン


「ウォル!甘やかしたらダメだよ。」


「シェリーが気になるの?」

ウォルはイタヅラっぽく笑った。


シェリーが急に話しを振られ

「申し訳ございません!!!」

バーっと泣き出した。

「私は壁です!!!!」



「いやー!!シェリー違うから!」


ウォルは朝からご機嫌だ。ずっとニコニコしている。


「私がいなければ、お二人は今頃・・・」

シェリーの凹みは半端ない。


「絶対ない!!!!!!」

私は真っ赤になって否定した。



「あははは。シェリー嘘だよ。・・・・・・・・・今日はハナとお別れの日なんだ。」

そう言ったウォルの瞳は涙で潤んでいた。


「え?」

シェリーはわけがわからず立ちすくむ。



ウォルは潤んだ緑色の瞳から涙が溢れないよう、気持ちを落ち着かせて


「お祈りをさせて」

そういうと後ろにいたシェリーが膝まずいた。


「私も膝まずいた方がいい?」


「ううん。ハナはそのままで」

ウォルはそっと両手で、私の頬に触れた。



冗談じゃなく、真剣な気持ちが伝わって来た。私は目をゆっくり閉じた。




「ハナに祝福がありますように!」





そう言ったウォルは、そっと私のおでこにウォルの唇を落とした。

触れていた間はたった2.3秒だったけど、凄く暖かくとても不思議な感じだった。

目を開けると、私の周りはウォルの魔法の緑色で包まれていた。

朝見た夢と似ている・・・・そう思ったら、光はすーっと消えて行った。






「ウォル。ありがとう・・・・・。」





「あぁ。」





ウォルの瞳から一粒の涙だけが溢れてしまっていた。








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