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私は巻き込まれただけなので、すぐに元の世界に帰して下さい。  作者: NALI


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第15話 決意する


「シェリー!出来たっ!」


「ハナ様すごいです!うわぁ!バラの香りですか?」



この世界にも石鹸はあったけど、無臭で湯浴みの時にバラ湯にしたり香水で匂いを消したりしてた。

なので、生活魔法が私の世界に影響している事がわかったからには、製造魔法で今いろいろな物を作っている!

1ヶ月なんてあっという間に過ぎた。

それでも、私が作れる物は少ない。



その中でも自信作が、

まず、石鹸!!!お風呂には石鹸!香りがいいとテンション上がるもんね!

ただ、製造魔法は召喚魔法に似てて、ないところからの作製はできなかった。

なので、ここの世界にある石鹸と花やハーブをかけ合わせて私がいた世界の石鹸に似せて作る事が出来た!


そして、私の記憶が考慮してかどうかわからないけど、泡立ちがいい!素敵!

横で見ていたシェリーに

「これは、ここの世界の石鹸が原料だから、肌荒れとかないと思うの!コレもらってくれる?」



シェリーは物凄く驚いた顔をしている。

「私が頂くには高価過ぎます!!」


「え?シェリーも使ってる石鹸だよ?」


「ハナ様が作った事に価値があるのです!!!」


「でもいつもお世話になってるからもらって欲しいな。」


すると後ろから、

「もらってあげなよ。」


声の方に振り向くとウォルがいた!


「ウォル!おかえりなさい。今日はもうお城に行かないの?」まだお昼にもなっていない時間にウォルは帰ってきた。


「こんなに素敵な時間がここにあるのにお城に行く時間がもったいないよ。」


ウォル〜!

「そういうの勘違いするからやめて!」


「勘違い?勘違いしていいよ。ハナがここにずっといてくれるなら。」


「どんなに居心地良くても、雷斗が魔王を倒しに行く前にアロニーの村に行くんだから。」



ウォルは切なそうな顔をする

「わかってるよ。」



私はウォルの気持ちに気づいている。

っていうか、気づかない方がおかしい。

でも私はその度にアロニーの村の名前を出す。



ウォルは王族を守る仕事があるから王都からは、絶対に離れられない。

だから、私は生活の目処が立ったらここを出る。

出来れば早く。

じゃないと、ここは居心地が良すぎて後が辛くなる。

私は元の世界に帰るのだから、



ウォルの気持ちに答えられない。




「私考えたんだ〜。アロニーの村に何ヶ月か何年なのか滞在するかわからないけど、働かなくちゃダメだって。だからこんな風に雑貨を販売したらどうかな?私は王都に行けないけど、村の人に頼んで見ようかと思うの。」



「王女様の側近の兄弟が、その村にいるから、生活に困らないと思うし。私からも援助をさせて欲しいんだ。」



「もし、何年も村にいる事になったらずっとお世話になるのは嫌だよ。何もしないで生きていけないから。」



「勇者様が魔王を倒しに行くタイミングで、村に行けばいいよ。それまで何ヶ月でも何年でも、ここに居てくれないか?」


ウォルの願いは切実に聞こえた。


ウォル・・・・・。


ダメだよ。私はウォルの優しさに弱い。ここから帰りたくなくなる。でもそれだけは出来ない。


もちろん両親も気になるけど、

私はあの高台の公園にもう一度行きたいから。

そして、雷斗に返事をしなければならない。



「いつかの話しをしても、仕方ないよね!ところで、次の魔法・・・・・。」




キーーーーーーンッ



急に耳鳴りがした!


バッとウォルを見てもシェリーを見ても、難しい顔をしている。


「ウォル!急に耳鳴りが・・・・。」



私の声にウォルが、優しい表情に戻った

「ハナにもわかったんだね。王都の結界に魔物が入り込もうとしている。でも心配しないで!勇者様が経験を積む為に王宮騎士達と倒しに行くはずだから。でも・・・」



「ウォルはお城に行くんだね!雷斗が城を出るからね。」



ウォルは小さく頷く。




「ハナは絶対にこの邸から出たら、だめだよ!ここは安全なのだから。」

私はうんうんと頷いた。





ウォルはお城に行った。




雷斗・・・・・初陣なんだよね?大丈夫かな?

この邸は城からは離れているが、王都内にある。


王都が物凄く広い。王都を囲む壁と結界で守られている王都から出るには、出入り口は4箇所。

ちょうど東西南北に出入り口がある

西の出入り口は海が近く、港町がある。


残りは3つ



魔王が住む森の近くに、アロニーの村がある

アロニーの村に行くには、北か東かどちらかからの出入り口から出る。



王都から出なければ、雷斗に会える?

もう1ヶ月以上も会ってない。



出来れば、今の私の現状を伝えたい。そして私のこれからの行動も伝えたい。



アリス王女がどこからでも見てると言っていた。雷斗に会ったら物凄く怒られそう。


でも雷斗ならきっと今、無理をしてるはず!魔王を倒して帰る為に。



雷斗に伝えなくちゃ。

『私は大丈夫だと。必ず魔王を倒す時に側にいると。』




私はシェリーに

「ごめんね、私もっと香り石鹸作りたいから倉庫から持って来てくれる?私ハウスガーデンからいろんな花やハーブを探してくるね。」


ハウスガーデンは室内庭園で、いろんな植物を栽培していて私は好きなだけ使っていいと許可をもらっていた。



本当にごめんね、シェリー。すぐに帰るから・・・・・





私は雷斗に会う為に





誰にも言わずに、邸を抜け出した。





念の為に収納魔法に制服とメモ書きを入れて。














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