第12話 時間
「ウォル、ごめんね。」
抱きついて泣いてしまった私は、落ち着いて来てウォルから離れた。
ウォルを見ると、顔が真っ赤になっている!
「あ!ウォルごめんなさい!!抱きついたりして、嫌だったよね。怒ってる?」
この世界の常識がわかんないと知らないうちに、相手を怒らせてしまうかもしれないんだ。
「いや・・・・・大丈夫。ハナの世界では、みんなに抱きつくの?」
ウォルの顔の赤みはなくなってる
「うーん。親しい人には、するかな!感情が高ぶった時に?気にした事なかったけど、男性にしたのは、お父さん以外にウォルが初めてかも。」
ウォルはまた顔が赤くなる。赤くなった顔を片腕で隠すように、顔の前に持って行った。
「勇者様にも、した事がないの?」
「雷斗?雷斗・・・小さい頃はあるかもだけど、大きくなってからは、ないかな?もう記憶にないよ。」
「ハナ!じゃあこの世界では、私以外にしたらだめだよ。」
「ウォルは怒ってないの?」
「怒ってない!むしろ・・・・いや。とにかくだめだよ!いい?」
「うん。ごめんね。魔法が使えた喜びが大きかった。」
「そうだね!ハナ、おめでとう!属性は無属性かな?無属性なら王女と同じなんだけど、魔法の色が違うんだ。」
「王女様は何色なの?」
「無属性は白か透明なんだ。だから、魔法が発動した事に気づかない時がある。」
「私は虹色だもんね。」
「ハナ、明日私は城に行って文献をもう一度見てくるよ。そうすれば、まだまだハナの魔法の可能性を広げて上げられるから。」
「うん!ウォルありがとう。」
「収納魔法って何の役に立つの?」
「ハナの着てきた異世界の服も収納できるし、ただ食べ物とか飲み物とかは、実験した方がいいかもしれない。空間の中の時間は、止まっているなら、温かい飲み物はそのまま温かいままだろうし、空間内も時間経過があるなら、食べ物は腐ってしまうからね。」
「じゃあここにある、紅茶のポットとクッキーで試して見ていい?今日1日空間に入れてて、明日出して見る!」
「いいよ!」
ウォルは、私が嬉しそうに魔法の話しをするから優しく私に微笑んでいる。
時間の経過か・・・・・。
「ねぇ。ウォル?文献ではさー過去の勇者って、この世界で、年は取って行ったのかな?」
考えていなかったわけじゃない。
私と雷斗があの高台の公園に戻れたとしても、あの同じ時間に戻れるなんて保証がないのだから。
「どうして?」
「あっちの世界のおとうさんとおかあさんは、私達が帰って来なくて心配してたら嫌だな。」
「そうか、そうだよね。文献では、500年前の勇者様は10年いたし、その前は1週間で帰った。その前はどうかな?文献見て見ないとわからないけど、年は取ったはずだよ?でも帰った後の情報はこちらには、入って来ないから、勇者様達が元の世界のいつの時間に帰ったかは、わからないんだ。」
「そうだよね。」
私は暗くなっていった。
「ハナ、勇者様なら大丈夫!きっと早く帰れるよ。」
そう言ったウォルの顔は無理やりに笑っているように見えた。
「くよくよしてもしょうがないよね!私も頑張ろう!まずは、この紅茶とお菓子もらうね!」
私はさっきと同じように
『収納魔法!』
と言って空間魔法を唱えた!




