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流れ星 落ちちゃった

作者: アルシオーネM45

2016年作の私の処女作(童貞作)。

童話として書いたものの、ボリュームが少ないので絵本にした方がいいとアドヴァイスを受け、絵を付けて投稿しました。

下手も個性と認められる世の中だから公開できた下手画風なので、ご了承ください。

ななちゃんはお星さまの大好きな小学2年生の女の子。

晴れた日の夜はいつもお家のベランダから空を見上げて

長い時間、輝くお星さまたちを眺めています。


その日の夜もいつものようにお星さまでいっぱいの夜空を見上げていると

流れ星がひとつ、長い尾を引いて落ちてゆきました。

ななちゃんは心の中で願い事を急いで3回言いました。

流れ星を見たらお願いすることを前からきめていたので

すぐに言い終わることができたのです。


「よしっ」と小さな声でつぶやいたななちゃん。

「明日いいことがあるかもしれない」と思ってまた空を見上げると

お願いをした星がまだ消えずにゆっくり流れています。

不思議に思ってしばらくその流れ星を目で追っていると

通っている小学校の近くの小さな森の中に消えてゆきました。


「あ、流れ星が落ちちゃった!」

ななちゃんはあわててお家の中に戻り

靴を履いて外に飛び出しました。

森に流れ星を探しにいくのです。


お父さんとお母さんはお出かけ中。

ひとりで探しに行くのは心細いので

ペットのチョッパーくんを連れていくことにしました。

挿絵(By みてみん)



森の入口に着いて、足音を立てないよう森に入っていくと

あたりはしんと静まりかえって、時々遠くから犬の吠える声が聞こえてきます。

ななちゃんはちょっと怖くなりましたが

勇気を出してまわりを見まわしながらゆっくり進んで行きました。


星だからきっと明るく光っているだろうと思っていたけど

真っ暗な森の中にそんな光は見えません。

「地面に落ちたら光らなくなるのかな」

ななちゃんは少しがっかりした気持ちになってきました。


どこからかサイレンの音が聞こえてきます。

きっと流れ星を探しにパトカーが来たんだと思ったななちゃん。

サイレンはどんどん近づいてきているのにパトカーが見えません。

不思議に思いきょろきょろしていると

頭の上からまぶしい光が射してきました。

見上げると丸い形をしたパトカーが宙に浮かんでいます。


ななちゃんはびっくりしてその場に立ちすくんでいると

そのパトカーはななちゃんのすぐ横に降りて止まりました。

すると中から体のおおきなおじさんが降りてきて

「おじさんは宇宙のパトロールをしているお巡りさんだよ」と言いました。

そしてやさしく笑いながらななちゃんにたずねました。

「なにをしているの?」

ななちゃんは「流れ星を探しているの」と答えました。

「おじさんたちも流れ星を探しているんだよ」とお巡りさん。

パトカーの後ろの席には赤い色をした星が乗っています。

「落ちてきた子ども星のおかあさん星だよ」とそのお巡りさんが教えてくれました。

おかあさん星は心配で泣いているようです。

「いっしょに探してくれるかい?」とお巡りさんが言ったので

「うん、いいよ」とななちゃんは答えました。

挿絵(By みてみん)



お巡りさん、おかあさん星、ななちゃんとチョッパーの4人で

暗い森の中を探しますがなかなか見つかりません。


しばらく歩き続けて森の真ん中にある大きな杉の木までやってきた時です。

木のてっぺんを見上げると、黄色に光る小さな星が見えました。

落ちてきた子ども星に違いありません。

「あっ!」とななちゃんが声をあげました。

お巡りさんとおかあさん星もななちゃんと同じように木の上を見ています。

チョッパーが気付いて嬉しそうにワンワンと吠え、一生懸命しっぽを振っています。


お巡りさんがパトカーに乗って木の上まで行き

子ども星を抱いて下に降りてきました。


子ども星はお空の道を歩いて家に帰っている時

地球に近づきすぎて吸い寄せられ

そのまま地面に落ちてきたのです。

そしておかあさん星に見つけてもらうため高い木の上に登っていました。


子ども星が見つかって喜んでいるおかあさん星は

さっきよりも明るく輝いています。

挿絵(By みてみん)



「ななちゃん、探しに来てくれてありがとう」

子ども星がななちゃんに言いました。

「なんでわたしの名前を知っているの?」とななちゃんがたずねると

「いつもぼくたちのことを見てくれているから、ななちゃんのことを覚えているんだよ」

子ども星はななちゃんが夜、いつも星を見ているのを空から眺めて知っていたのです。

「お礼に星の石をあげるね。この石は夜になると輝いて、まわりを明るく照らしてくれるよ」

「ありがとう。大切にするね」

ななちゃんはもらった石を大切そうに

上着のうしろポケットにしまいました。

挿絵(By みてみん)



「いっしょに探してくれたご褒美に月までドライブして家まで送ってあげようね」

そう言ってお巡りさんはななちゃんとチョッパーをパトカーに乗せて

おかあさん星と子ども星と一緒にまんまるお月さまを巡る小さな旅に出発しました。


近くで見る月は本当に大きくまぶしいくらい黄色く光っています。

そして窓から見る宇宙は、いつもベランダから見るよりも

何十倍も多い星々が輝いていました。


「ぼくはいつもあそこで光っているよ」

といって子ども星が教えてくれたのはオリオン座の青白い星の近くでした。

「黄色がぼく、赤はお母さん。見つけたら手をふってね」

「うん」

ななちゃんは忘れないように場所と色をしっかりと覚えました。


しばらく窓から星を眺めていたななちゃん、

ウトウトしていつの間にか眠ってしまいました。

挿絵(By みてみん)



次の日の朝、いつものようにチョッパーが

ななちゃんの部屋に入ってきて顔をペロペロっとなめて

「おはよう」とあいさつしました。


ななちゃんは眠い目をこすってチョッパーの頭をなで

「おはよう」と言いました。


お母さんが部屋に入ってきて

「ななちゃん、昨日は遅くまで起きてたでしょ。明かりがついたまま寝てたよ」

そう言われてななちゃんは昨日の出来事を思い出しました。

「昨日の夜にあったことは夢だったのかな?」

ななちゃんは子ども星やお巡りさんと会ったこと、

月へのドライブが本当にあったことなのか

夢の中の出来事だったのかわかりません。


よく考えてみると不思議なことばかりなので

「やっぱり夢だったんだ」と思い

急いで支度して学校に行きました。


その日の夜、塾の帰りにお空を見上げると

オリオン座の青白い星の横に、黄色く光る小さな星と赤い大きな星が見えました。

「あ、夢で子ども星が言っていた星だ」と思いました。

「夢の通りに星が見つかるなんて本当に不思議!」と考えながらお家に帰りました。


「ただいまー」

「おかえりなさい」 お母さんが台所からこたえてくれます。

靴を脱いで手を洗って2階の自分の部屋に入りました。

暗いので電気をつけようとスイッチを押そうとした時、

イスにかけてある上着のポケットの中で何か光っているものが見えました。


「あっ!」と思わず声を出して黄色く輝いているものを取り出してみると

昨日の夜、子ども星からもらった星の石です。

「やっぱり本当にあったことだったんだ」

ななちゃんはそのまま電気もつけず

しばらくしゃがみ込んでキラキラ輝く星の石を見つめていました。

するとチョッパーがやって来て横でにこにこ笑っています。

「昨日の出来事、とっても楽しかったね」と言っているようでした。

挿絵(By みてみん)

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