たくさんのかみさま
年末のご挨拶に代えて。
かみさまがいます。
たくさんのかみさまがいます。
かみさまがいます。
かみさまはものがたりをつくります。
せかいはまっくらで、つまらないから、おひさまをとりあえずつくりました。
さむいさむいふぶきがきびしいので、きょじんがおおかみとたたかうものがたりをかんがえました。
おとこのかみさまが、おんなのかみさまをさらうのは、ほうさくやたさん、くにとくにがむすびつくおはなしです。
しんだらべつのせかいにいくのは、いきてるひととしんでるひとは、うらとおもてだからです。
おほしさまになったかみさまもいます。
たくさんたくさんものがたりと、たくさんたくさんしっぱいがあったので、とあるかみさまはおきにいりをふねにいれて、おみずでザザーっとながして、やりなおすことにしました。
かみさまがいます。
たくさんのかみさまがいます。
かみさまはひとりだったりします。
あらゆるいしにも、かみさまはいます。
かみさまはしんだ、というはなしもありました。
ちきゅうがたいようのまわりをまわりはじめてから、かみさまはいなくなった、というひともいます。
かみさまはどこにいるのでしょう?
こころのなかにいますか?
それとも、ほしのかなた、くろいうずのちゅうしんで、つぎのいきものをつくってますか?
かみさまがいます。
いなくなったかみさまが、います。
でも、じつはいます。
みえたり、みえなかったりするけれど、います。
たぶんいます。
むかしも、いまも、みらいも、きっと。
ここにも、います。
さみしいねんまつのせわしなさのなか、おはなしをかんがえています。
あたらしいとしに、たくさんのかみさまが、ここで、たくさんのおはなしをかんがえています。
おはなしをつくるのが、かみさまのおしごとです。
たぶん、きっと、いつまでも、そうです。
良いお年をお迎えください。