伝説の職業「忍者」は恩恵0の地雷職でした。役立たず扱いされ勇者パーティから追放。ひたすら忍術修行した結果忍者マスターに。今さらパーティに戻ってこいと言われてももう遅い……いや、喜んで。
この作品は「なろうラジオ大賞2」の参加作品です。
千文字と超短いのはルールなのですごめんなさい(><)ノ
ハーレム要素が若干あるので、苦手な方ご注意ください。
1
「何故、お前は強くならないんだ!」
「す、すまんでござる」
某は忍者。
職業選択を間違った男。
「お前は追放だ、役立たず!」
勇者の突然の追放宣言。
「はん。無駄飯ぐらいが」
「このLV1男」
「……分かったでござる。今までかたじけなかったでござる」
聖女ちゃんと黒魔導師ちゃんの罵倒に何故かキュンとしながら、某は勇者パーティを去らねばならなかった。
トボトボ歩きながら、某は『忍者』を選んだあの日を思い出していた――
2
15歳に成人したあの日、某が水晶玉に手を当てると、某の適職が浮かび上がる。
なるほど、『勇者』『賢者』『魔術師』……選り取り見取りだ。
その中に、かつて魔王を滅したという伝説の職業『忍者』を見た時、衝動的に選択した。
しかし、それは大きな間違いだった。
『忍者』は異世界からの転移者がもたらした、この世界の理から外れた、LVアップしない職業だったのだ。
だが、何時までも絶望してはいられない。
某は忍術学校に通い、地道に知識体術忍者マナーを身に付け、言葉遣いも直した。
結果はこの様でござるが。
3
「な、何だ、この結界は!?」
「ふはは。勇者よ。抜かったな」
魔族四天王の「世界恩恵無効化結界」という秘術により、勇者たちはLV1相当のステータスにされていた。
「LV1の勇者パーティなど赤子同然よ」
「クソ、この卑怯者っ」
「勇者よ死ね!」
「「ゆ、勇者っ」」
悲鳴を上げる聖女と黒魔導師の前で勇者の首と体が生き別れになってしまい――
「む、何が起きた!?」
勇者は只の丸太に変わっていた。
必殺『変わり身の術』。
本物の勇者は無事で某に担がれていた。
「忍者、お前なのか?」
無言の某。
「何故、お前には結界が効かない?」
驚く四天王。
「某、世界の恩恵を何も受けてないでござるから」
血の滲む様な修行で忍者マスターになった某、再び見参!
4
「助かったよ忍者」
「少しは成長したじゃない」
「ボクの黒魔法のが上だから」
無言。
「忍者が必要だ。パーティに戻ってこないか」
あれだけの仕打ちをしておきながら、どうして某が戻ってくると思えるのだろうか。
「もう遅い」と口に出かけた時、
パキッ
勇者の胸当てが割れ、ある物が顕になる。
「勇者、女子でござったか?」
「お前俺の事を男だと? こんな可憐な男がどこにいる!」
顔真っ赤で殴ってくる勇者。
結界は既に消えていた為、某は瀕死のダメージを受けた。
某はなんとか聖女に治癒してもらい、こう言ったのだった。
「はい喜んで、でござる」
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