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プロローグ
読みとばしてもいいです
その者は生まれた。
いつ生まれたのかは誰も分からぬ。
どこで生まれたのかも、如何にして生まれたのかも分からぬ。
ただ、人が気付いた時にはすでにそれがあった。
その者は世界というものを知った。
暗闇の中から、無音の世界から、
光の眩さと音の響きを知った。
そうして、幾多の知覚から世界の美しさを
きっと知った。
その者は、数ある物の中から人の美しさを特に尊んだ。時に迂遠なように思えるそれらのあり方は、どこか心を打つものをうちに宿していたからだ。
悲しむべきは、それらがどうしようもない程に儚く脆い命を宿していたことか。
だからその者は、己の持つ力を分け与えることにした。
それが人にとって道標となり、祝福となることを願って。
初投稿です。