2話 平穏な世界
長い文章を考えるのは難しいですね。
書ける人とても尊敬します。
「こっちは終わった。テツヤ、そっち大丈夫か?」
「大丈夫!大丈夫!問題ない!」
「そうか。ゴブリン特有の魔法に気をつけろ」
「あぁ、りょうかい!」
とても広く、特に飾り気のない平原で、若い男女の2人組は片手剣を携えた小鬼のような姿をした『ゴブリン』と呼ばれる生物の群れと戦闘の最中だった。
既に少女の方は終わっており、少年への支援をいつでもできる万全な状態に入っていた。
「くっそ。ホント凄いな......」
少年は、少女を見るなり小さくそう呟いた。
彼女が相手にしていた数は約十体。
しかし奴らの処理には五分も必要としなかった。
彼女の実力からすると、ゴブリンの群れごとき、特にどうということはないらしい。
それに比べ、彼が相手にしていたのは七体。二体を処理するのに約五分と、彼女に比べとても時間がかかっていた。
「まぁ、まだ仕方ないはず、だよな?」
少年は自分に言い聞かせるようにブツブツと、少し悔しそうに囁いた。
それほど年が離れておらず、ましてや男と女、筋力面において彼が優勢とみていいが、二人にはそれだけでは埋まらない大きな差があった。
それは戦闘技術や経験の数──年季が違う。彼の言うとおり仕方がない。
どんなに力があろうとも技術、実戦の経験が無ければ一切役には立たないだろう。
彼女は数年前から技術を身につけようと努力し、沢山の経験を積んできた。
比べ、彼が初めて技術を──戦う術を学び始めたのは数週間前。彼自身の要望により始まった。
少しだけ彼は技術を身につけるのが遅かった──経験が少なかった。
だがそれすらも仕方のない事だ。別にそれまで彼が怠っていたわけではない。
ただ今まで彼にはそれらの戦闘技術が不要なものであったが為にやっていなかっただけだ。
彼は、ゴブリンと呼ばれるような、異形が当たり前のように潜んでいるこの世界の育ちではない。
元々、彼はとても平和で平穏な『日本』と呼ばれる場所で育った。
名前は──音凪徹也。
明るく親しみやすい性格で、友人多数......彼女無し。
至って普通の高校生。
毎朝嫌々ながら登校し、眠気を堪え授業を受け続け、友人達と過ごし、帰宅する。学校自体に対して不満はあるが、特に不自由の無い平穏な日々。
だがそんな彼の平穏な世界での平凡な生活は、何の前触れもなく突然変わってしまった──
やっとの事、ゴブリンを処理し終えたテツヤはその場に座り、体を休めていた。
「こっち来て何日経ったけなぁ」
テツヤはため息混じりにそう言うと空を仰いだ。
──三週間程前に彼は運悪く、様々な『異形』や数々の『魔法』が存在し、生活の一部として溶け込む。そんな世界へ何の前触れも無く突然やって来てしまった。
「どうした?もうこの生活に疲れてきたか?」
少女は笑みを浮かべながらテツヤへ言った。
「まさか、まだまだ俺はやれるよ!それに運良くここへ来れたんだから、じっとしてるなんてもったいないだろ!」
彼にとってこの世界へ来たことは運良くだったらしい。
──テツヤがこの世界へとやって来て、今に至るまでの経緯を話そう。
気まぐれか悪戯か、運良くか悪くなのか、突然彼に降りかかった出来事の経緯を......。
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──それは夕暮れ時の教室、一人の友人との会話から始まった。
読んでくださりありがとうございました。
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