ぼくの春 わたしの春
空は桃色
地は緑
小鳥のさえずりに
楽しそうな人の声
ぼくの周りには
お母さん
お父さん
おじいちゃん
おばあちゃん
そしていもうと
みんな嬉しそうに笑ってる
空は灰色
地は真っ赤
けたたましい爆発音に
人々の悲鳴
わたしの周りには
燃え盛る家
炎に包まれた木
ガレキの下敷きになった人
酷い怪我を負って助けを求める人
そして泣き叫ぶ女の子
みんな必死に叫んでる
ぼくが花見をしているとき
わたしの国が戦争をしているとき
きっとどこかで戦争が起きている
きっとどこかでお花見をしている
わたしはそれが憎たらしい
ぼくはそれが心苦しい
同じ春を迎えているのに
どうして同じ気持ちになれないのだろう