プロローグ
「アイリス=コルト君。君は本日付で王命隊に移動する事になった」
ある日、アイリスは上官からそんな事を告げられた。
「えっ? ・・・・ええええぇええっ!?」
アイリスは驚きの余り、大声をあげた。
何事かと周囲の視線がアイリスに向けられたが、それどころではない。アイリスは上官に食ってかかった。
「なんでですか!? 何故、私が島流しにされなけれはならないんですか!?」
そう、島流し。王命隊はアイリスが現在所属している第1隊では左遷場所と認識されているのだ。 一般市民の畑から生まれながらも実力により騎士学校をトップで卒業し、まだ数ヶ月だが第1隊でも活躍中のアイリスにはなんら関係のない場所だ。
そんな場所にいきなり行けと言われた所で納得できるはずがない。
そんな思いを隠すことなく上官を睨み付けた。
そんなアイリスに上官は、
「ほう?・・・アイリス君、君は何故そうなったのか理由が判らないのか?」
冷ややかな口調で言って、アイリスにその理由を告げた。
「アイリス君、君は昨日財務大臣の息子とビスタ公爵の孫と情報探知隊の隊長の甥っ子を公衆の面前で半殺しにしただろう」
「・・・・・」
アイリスは何ら反論できなかった。