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第二話
僚って名前は、前まで嫌いだった。
女顔だから、無口だからよく女の子?って聞かれてしまう。
「あ、僚くん。いらっしゃい。」
小町って名前が好きだ。
小さいのに、かわいらしい和風な名前。
彼女はいつもいじられ役で面白い子である。けど、反面まじめでよく考えている人。っていうかおとなしい。接しやすいし。
とってもいい子。
痩せてはない。太ってもない。ぷくっとしていて、目が大きくて、小さい。名前にあってる。
「っよ。」
僚って名前を、小町が「ステキ」と言ってくれた。
自分の名前が好きになった。
「僚くん、どうしてお店知ってるの?」
「いや、まぁ、知らなかったけど。」
うそ。友達に苦労して聞いたの。
だって小町のことが好きで話したいけど、学校じゃ照れくさいから。
エプロンをヒラヒラとさせて君は働く。
とってもかわいらしい。
「りょ、僚くん!?だ、大丈夫?あつかった!?」
机に散乱したコーヒーが輪を描くようにこぼれた。
やっぱり僕は小町が好きみたいです。