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call  作者: 水居
一章:寂静の少女
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ゆめのはなし

 

 泣き虫あの子はかわいい子。

 犬がこわいと言って泣き。

 いじめられたと言って泣く。

 泣き虫あの子はかわいい子。


「哇ー……! 哇ー……! 二哥ー……!」


 谷間の姫百合さやさやと。

 揺らしてあの子はやって来る。

 いじめられたと言って泣き。

 なぐさめるのはいつもぼく。


「你怎么了?」

「二哥……。三哥欺负我……!」


 泣き虫あの子はかわいい子。

 兄やがきらいと言って泣き。

 笑われたと言って泣く。

 泣き虫あの子はかわいい子。


「因为你是可爱的、他挑逗你」

「我……可爱吗?」


 銀のお下げを撫でるのも。

 金のお目めに笑うのも。

 ぼくのお役目、ぼくの特権。

 請け合ったげるよ、やさしくね。


「是啊、你很可爱。你会将来成为美人」

「……嘻嘻! 高兴!」


 谷間の姫百合さやさやと。

 揺らしてあの子はすぐ笑う。

 うれしたのしと言って笑み。

 笑わせるのはいつもぼく。


「二哥、我喜欢你!」


 泣き虫あの子はかわいい子。

 おばけがこわいと言って泣き。

 からかわれたと言って泣く。

 泣き虫あの子はかわいい子。


(君影草は散っちゃった)

 

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