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はいはいマンモス校! ~体操着のハーフパンツ好きな人用~

作者: 栗野庫舞

あなたが好きそうな見た目の女子を想像して下さい。

 男子高校生のあなたは、生徒達で大変混み合う体育館にいた。


 あなたの通う高校は、生徒が1000人以上いるマンモス校だ。本日は年に一度の学校行事、『恋愛の場』が体育館内でおこなわれている。


 参加者は、学年問わず、まだ恋愛成就(じょうじゅ)していない生徒が対象だった。


 あなたを含めて、参加する生徒達は、専用の小さな用紙を一枚、渡されている。それには、“はい”か“いいえ”で答えられる質問を書くことになっていた。


 これから制限時間内に、生徒達がお互いに用紙の質問をし、双方が“はい”と答えた時、恋愛関係が成立するという流れとなる。もちろん、あくまでも出会いが提供されるだけで、今後の展開は保証されない。


 あなたはたくさんの生徒の中から、好みに合いそうな女子を(さが)す。歩き回り、足を止めては周囲を見渡す。目星をつける。それを繰り返す。


 何人か候補を絞っても、決めなければ意味がない。(よう)は早い者勝ち。成立次第、手を繋いで、体育館の外に出ることになっている。


 美男子や美少女は当然、倍率が高い。集団に囲まれた女子をあなたが見ていると、男子と成立したようで、手が繋がれた。がっかりする男子の姿も確認出来た。


 生徒は時間が()てば経つほど、体育館内から減って行く。あなたは焦りを感じる。どうにか理想の子を見つけ、無事に良い結果が出ることを願う。


 あなたは悩んだ末に、決意を固める。


 あの女子に決めた。


 彼女のスカートの丈は長めで、膝を隠す。あなたにとってはこの点が、すごく重要だった。


 あなたはその女子に近寄り、勇気を出す。つまりは、彼女に用紙を見せてほしいとあなたは頼んだ。


『ずっと愛してくれますか?』


 そう、丁寧に書かれていた。


「はい」


 あなたが彼女に伝え、今度はあなたが彼女に用紙を見せる。


『ハーフパンツはいてますか?』


 そんなことが書いてあるとは思わなかったようで、女子は驚いてはいた。


 あなたは失敗したかと思ったものの、彼女は真面目な視線を向けているのが分かった。


「……はい」


 用紙の質問に対しては、ただ答えるだけでいい。けれども彼女は、答えた後にスカートの端を持ち上げて、ハーフパンツの裾をご丁寧に確認させてくれた。


 あなたは期待以上の展開に、嬉しくなった。


「成立ってことでいい?」


 片手を出してあなたは聞いた。


「はい。……よろしくお願いします」


 見た目良し、行動良し、ハーフパンツ良し。


 そんな彼女の差し出している手を取る。


 あなたは緊張しながらも、彼女と手を繋いで、出入り口へと歩いた。


 体育館から少し離れたところで立ち止まり、あなたは改めて彼女を眺める。


 理想的で、かわいい。


「……私を選んでくれて、ありがとうございます。私のことを、ずっと愛して下さい。その代わり……ハーフパンツなら、いつでもお見せ出来ます」


 彼女はあなたへの理解が早かった。膝下スカートをたくし上げて、ハーフパンツを大きく(さら)す。


 好みの女子の、この姿。


 あなたには幸せしかなかった。


                    (グッドエンド)

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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