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企画・コンテスト応募作品

位置情報サービス

作者: おおらり

 今や肝試しは、場所を決めてするものではない。アプリにおばけが出る場所を検索してもらい、地図上にピンを刺してもらう。ピンを頼りにその地点に向かう。すると怪奇現象に遭遇できる、とのことだ。


 「とのこと」というのは、SNSで噂を聞いただけだからだ。暇なので、バイト終わりに電車のなかで噂のアプリをダウンロードしてみる。怪奇現象に遭遇できる場所をアプリで検索する。


(なんだ、近所のホームセンターじゃん)


 ちょうど買いたいものもあったので、足を運んでみる。気の抜けたテーマソングが流れ続け、照明が明るすぎる、いつも通りの場所だ。


 スマホから通知音がした。


「勇敢なあなたは実績1を解除しました!」


と通知欄に書かれている。洗濯用洗剤を買って帰る。なにも面白いことは起きなかったな、と残念に思う。


 アプリを開く。すると地図上で、次の場所が検索されている。次の場所は目の前にある信号であると表示される。信号が青になり進むと、実績2が解除される。実績3、4、5……。


 地図上に次の場所のピンが刺してある。私が住んでいるマンションだ。しかし、入っても通知音がしない。エレベーターに乗り、部屋の鍵を開けてドアを開き、足を踏み入れたところで、通知音が鳴った。


 それからアプリの地図上では、私のいる場所にピンが刺してある。私が動くと、ピンが動く。

 まるで私の位置情報サービスのようになってしまった。気味が悪すぎて、その日のうちにアプリは早々に消してしまった。



海外の実在するアプリをモデルにしたショートショートですが、アプリの名前を忘れてしまいました。数年前にSNSで好きな漫画家さんが『ホンモノっぽい』と紹介していました。


『冒険にでかけて神秘体験をしよう!』『表示された場所に行ってみよう!』というアプリで、日本語版も出ました。一度ダウンロードしたのですがいつまでたってもクルクルとロードがまわるばかりで、行き先が表示されませんでした。そのあと問題になって? アプリ市場から消えてから見つかりません。


何度探しても見つからないので、漫画家さんのツイートからすべて夢だったのかな? と最近は自らの記憶を疑っています。


何かのマークが書いてある黄金色のアイコンで、オーストラリアかどっかのアプリだったと思うのですが、情報ご存知の方いらっしゃいましたらお知らせください。

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