作戦会議?
作戦は、まずブルーノ君がオルデン王子を探して魔法国に辿り着いたという事にして、わざと魔法国に捕まる。
この時、念話が出来るココちゃんを鞄の中に隠していく。
捕虜ならばオルデン王子か村人達と合流させられる可能性が高いだろうし、ブルーノ君に何かあった場合すぐに、ココちゃんから知らせてもらえる。
それから古竜お爺ちゃんに乗って私とシリウスは魔法国に乗り込み、その隙に他の者達は先に作動させておいたニクスさんの継続魔法でステルスモードで潜入する。
「要は僕達の魔力で他の者達の存在がわからないようにすればいいんだよね……」
「国じゃないって事だし、人を傷つけ無ければ良いよね?……例えば建物とか?」
「建物位はよいじゃろう! 何も壊さずに陽動などできぬわい」
「だよね~ここは派手にいきますか!」
私達は思わずハイタッチした。
ニクスさんだけは苦い顔をしていたが口は、はさまなかった。
いざ、ブルーノ君とココちゃんが出立というところで、カイルから待ったがかかった。
「お、俺も一緒に行く! 行かせてくれ!」
「急にどうした?」皆の怪訝そうな表情に、カイルはおたおたしだした。
「ココ一匹でなんて行かせられないよ〜! 何かあったら、どうするんだよ」
皆、一斉に黙るとカイルの顔を見つめる……
「…えっ? まさか付き合ってたの?」ココちゃんまで、おたおたしだした。
「こんな時に何言ってるのよ~やだ、もう! 私なら大丈夫だから、ね?」
「なんで話してくれなかったんだよ! 俺ら兄弟なのに~」
「みずくさいったらありゃしない……」
「い、いや……改めて話すとなると照れくさいっていうかだな……今はこんな時だし、落ち着いたら話そうと思ってたんだよ?」
「僕こう見えて力持ちなんで、御一緒にお連れしますよ?」ブルーノ君がニコニコしながら私達の顔を見回してくる。
「……そうだね! ブルーノ君が大丈夫ならお願いします」
私達は三人を見送り、離れただろうところで笑いだした。
「いつの間に付き合ってたんだよ? 気がつかなかったよな~」
「あの、カイルがね~」
「いや〜めでたい事だよな~うん! ピッタリだよね」
普段からカイルは頼れる皆の兄貴代わりであり、ケットシー達だけでなく兵達からも信頼されてる、気のいいケットシーなのだ……これは後で、しっかり話を聞かねば!
全員、緊張感も無くなりニヤニヤしてしまう。これもケットシー徳というもの、皆が喜んでいる。何と言ってもお似合いのカップルなのだ。
ちゃっちゃと片付けて、飲み会ですよ~
私はマントを羽織ると、シリウスにもアイテムボックスから布を出し、似たようなマントに変えて着せてやる、もちろん猫耳付きだ……お揃いですよ~
映画とかで見ていて、一度はヒーローもののコスプレをやってみたかったんだよね。今更、中二病かと言うなかれ、陽動は目立ってなんぼでしょう!
用意万端、ココちゃんから念話が届き次第いつでも出発出来る。
ところが、ココちゃんからの念話よりも先に、地響きがしてきたかと思うと、こちらにどんどん近付いて来る。
私達は何事かと古竜お爺ちゃんに引っ付くと、ケットシー達はいつでも魔法を放てるように身構えた……
砂埃の中から現れたのは、何と! グランツ隊長達だった。
さらに後からは獣人やエルフにケットシー達も、続々と到着して来る。
隊長さんは手綱を引くと、馬を降り私達の元にやって来た………
アッ! 隊長さん恐い顔をしてる……




