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エルフの来訪

 翌日には大半の者が二日酔いだった、やれやれ……


 食堂では窓が開けられていたけど、まだアルコール臭が漂っているし、まだまだ目が眠そうだわ(笑)


 なにげに昨日のお客様も何人も居るという事は、遅くまで飲み明かしたんだろうね……




 昨夜ついに、お米デビューした事だし、二日酔いにはシジミのお味噌汁だよね~

 梅干しと鮭の、おにぎりに、だし巻玉子と、きゅうりの浅漬と…ザ和朝食!お味噌汁を飲むと、うめき声が出る病がそこら中で発生した(笑)やっぱり、しみるよね~




「二日酔いじゃなくても美味しいね~」シリウスが器用に手で持って、鮭おにぎりを一口食べてはスプーンで味噌汁を飲んでいる。


 ルーチェちゃんとアピスちゃんも二日酔いのミルトとニクスさんを放っといて私達と食事をとっている。


「「はめ外しすぎなのよ~」」ちょっと怒ってる? デザートに、カボチャプリンもつけちゃおう。




 そこに兵に案内されてエルフ達が入って来た。




 全員、美しいけれど先頭の女性がまさに女神そのものの美しさで、長い銀髪にインナーカラーの蒼い色が歩く度に見え隠れして、海の波を思わせる。


 食堂内には一斉に『カシャーンッ』とフォークやスプーンを落とす音が響いていく、見惚れて落としましたか……




 慌ててニクスさんが挨拶に行ったが、先頭の女神のような方に睨まれて少し後退りしている。


「姉上……どうして、こちらに⁉」


「会わぬ間に挨拶も忘れましたか?、だらしのない事ですね……この匂いは?」


 鼻をほっそりした指で押さえると、窓際に座っていた兵達が慌てて窓を全開にしていく。




「…遠路おこし頂き感謝致します、どうぞ……こちらにお掛けください」ニクスさんがギクシャクと奥の窓際のテーブルに案内して行く。


 アピスちゃんも慌てて挨拶しに飛んで行く。


 近くに座っていた兵達が早々に食事を終えて席を立って行くが、何気に室温が下ったような…気のせい?


 いつも通りだと思っていたけど、ニクスさんもかなり二日酔いだったらしい……




 ここは一つ、アフタヌーンティーでいきましょう!


 スモークサーモンとクリームチーズのサンドイッチとツナときゅうりのサンドイッチ、三種のベリーのタルトに桃のムースにフルーツケーキにビクトリアケーキも。紅茶にレモンとミルクを添えて持って行く。後で皆の分も出しますか……




「失礼します。異世界の甘味になります、よろしければお召し上がりください」女神のような、お姉様やエルフ達が慌てて立ち上がる。


「異世界勇者様ですか?御初に御目にかかります、私これなるニクスの姉でメーアと申します」


「お会い出来て光栄です! ニクスさんには大変お世話になっておりまして」


「こんにちは〜すっごくきれい!」一緒について来たシリウスが感嘆すると、メーア様の表情が一気に和む。




「なんと凛々しいケットシーでしょう……御身がシリウス様ですね」そう言うと跪いてシリウスの手を両手で握って、うっとりと見つめ出した。


 これには一番ニクスさんが驚いたみたい、後で聞いたら子供の頃から厳しい方だったそうで……


 メーアさん、シリウスしか目に入らないみたい……よし!任せた~


 私は、そっと離れるとシリウスにガッツポーズをして見せると、少しシリウスの目が泳いだみたい(笑)




 隊長さんに筆記用具を貸してもらい少し離れた席に座ると、横に古竜お爺ちゃんも来て座る。「よいのか?」


「何が?……シリウスなら大抵の事は大丈夫だよ」私は笑いながらうなずく。


 それより昨夜、約束した料理教室の内容を考えねば……


 もっと起きていられる時間が長ければいいのに、今は時間がもったいないんだよね。




 私は美味しい物は独り占めするより分かち合いたいし、誰もが食べられるようにしていけたらなと、私なりの異世界ライフワークにしようと考えてた。




 じきにニクスさんも隣にやって来た。


「先程は助かりました、しかし……あのような姉を見るのは初めてです………最早、私の事も忘れているような……」


「そんなに?……なら他のケットシー達にも声をかけて同席してもらうというのは?」

 早速ニクスさんが近くに居るケットシー達に同行してもらうと、メーアさんが床に座ったままケットシー達に挨拶していくのが見えた。そんなにか~(笑)




 とりあえずメーアさんの下に大きめの座布団(ちなみに材料は床の塵)を出し、ケットシー達にも出していく。


 身体の下に座布団がいきなり出て来ても気がつかないみたいなのに、メーアさんの意識が他のケットシーには向いたところで、シリウスとニクスさんがやって来た。




「もう〜ひどくない?」


「あんなにケットシー好きとはね〜援軍を送って良かったよ、凄く幸せそうだもの」私はメーアさんを見つめた。


「食事よりケットシーみたいだね……メーアさんにはケットシーの送迎サービスとか添い寝サービスとか必要かも……」


 シリウスも、じっとメーアさんを見つめる……


「僕……カイル兄さんに相談して来る!」シリウスは慌てて走って行った。




 他のエルフ達も最初はメーアさんにドン引きだったけど、甘味に夢中になっているし、メーアさんケットシー達に囲まれて満面の笑みでお喋りしている。


「子供の頃に知りたかった……」ニクスさんは残念そうだった(笑)




 後で聞いたところでは、ニクスさんからの『異世界召喚者が現る』との知らせでエルフの国をあげて召喚魔法の言い伝えとか理論等を調べるための研究チームを作ってくれたそうで、近いうちに来てくれるそうだ。


 私にとっては大切な、お知らせだったけどケットシーと異世界料理にすっかり忘れられてしまった……気にかけてもらえただけ良しとしますか……


 それにしても誰が召喚したんだろうね………





いつも読んでくださり、ありがとうございます。


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