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コンロのお披露目会

 館に戻ると裏庭が、やけに賑やかだった。


「シリウス様〜! お待ちしていましたよ、このような感じで宜しいですか?」斥候のエルさんとケットシーのカイルが揃って、戻って来た私達に走り寄って来る。


 私は、またしても驚いて立ち止まってしまった……




 こちらの世界には釜戸しか無かったはずだが、目の前の庭には大きなバーベキューコンロが五台も置かれ、更に山盛りの食材を置いたテーブルが、それぞれのコンロの横に置かれている。




 思わずシリウスを見つめる……聞くまでもないよね、うん。


「うわッ! すごい注文どうりだよ~ありがとうね、すっごく良く出来てるよ」

「うん……どこから見ても立派なバーベキューコンロだね」(棒読み)


 ウワッ……お酒の樽が幾つも置かれている……いつもながら……うちの子凄い、てか強いわ。



 私は苦笑しながら、思いつく限りのタレを出していく。


 バーベキューソースに焼肉のタレ、照焼きのタレもあった方がよいかな、後はハーブソルトにレモンと…あっ、ぽん酢もあると後味すっきりできてよいよね。


 食材は各種お肉は当然として、砕いた氷の上には川魚が置かれ、後はソーセージに葉物野菜に芋類にトウモロコシにキノコ類もある!


 キノコ大好き〜大きなマッシュルームみたいなのがあるので醤油とバターも出そうっと!




 せっかくの食事会だから、お酒の苦手な人や王子達のためにコーラとオレンジジュースとアイスティーも出しておくかな。


 締めに焼きおにぎり、出しちゃおうかな……


 ずっと、こちらにはパンしか無いので皆には出してなかったんだけど、そろそろお米デビューしてもよいかな~?




「デザートにはレモンシャーベットとブルーベリーソースのヨーグルトにする?」

 シリウスに聞くと「ジャ〜ン!」と言って奥のテーブルを指す。




 そこには何と、かき氷器が置いてあった。


 バーベキューコンロだけじゃなかったのか……


「前に『誰でも気軽に食べられるようになったら良いな』って言ってたでしょう?作ってもらったんだ~今日は作ってくれた職人さん達や商会の人達にも来てもらってて試食会も兼ねてるからね〜」覚えててくれたんだ………




 氷はシリウスが作っておいたのがあるので私は、色々なシロップやトッピングを用意する。


 じきに庭は訪れる人々で、更に賑やかになっていった。




 食べながらコンロの具合を確認する者、タレの味見をするだけでなくレシピを聞いてくる者、更には商談まで始まっているみたい。


 お酒は商会の方々からの差し入れだそうだ。


 シリウスは、あちこちから呼ばれて忙しそうだ。うちの子、凄いわ、このスパダリ感……私も後日こちらの食材を使った料理教室を開く事を約束する。




 珍しく隊長さんがリラックスして、お肉を食べながらエールを飲んでいる。


「このバーベキューなるものは、まことにエールに合いますな〜」酔っていても口調は丁寧なままだ、話しかけてるのが椅子じゃなければ、もっと良かったんだけど………思ってた以上に、かたぶつなのかもしれない。




 他の兵達はちゃんと酔っているんだけどね(笑)副官のカナルさんが「この人、初見でポン殿を少年と見誤ったんですよ~どこから見ても女性なのに……理解出来ないですよね~?」


「あ〜隊長は、そこら辺からっきしだからな~」


「良い人なんですけどね~」などと隊長さんを酒のあてに皆で話しているが、カナルさんの目は、かき氷コーナーのアピスちゃんを見つめている。




 最初はニクスさんを目で追ってるのかと、面白がって、いや、もとい心配してたけど、アピスちゃんの方だった……


 なにげにルーチェちゃんのフアンも居るみたいだしね……あちこちから熱い視線を送られている事に、アピスちゃんもルーチェちゃんも気がついていなかった(笑)


 少数派ではミミねーさんに叱られたいって方々も……




 古竜様も、いける口だった。大きな桶を何度もエールで満たしてやる。


「なんとも心地よいの〜」


「僕、苦いのはダメみたい〜」シリウスはエール、一口でリタイアした、残りは私が飲んでしまい、かわりにコーラを渡す。


「これが、コーラか~シュワシュワするね~」


「舌は痛くない? 飲めそう?」


「うん! これは好き」


 ルーチェちゃんとアピスちゃんは、かき氷の方が好きらしい。


 全部の味見するんだって、それぞれ一口づつ食べていってる、お腹こわさないようにしてね。




 ニクスさんとミルトは右手にエール左手にお肉を持って、古竜お爺ちゃんと長老猫と酒盛りしている。


 私は、いつものように早々に寝落ちしたけど、飲み会は遅くまで続けられたそうだ。




 後に、この夜の宴の話を聞いた王様が城でも開催するため、バーベキューコンロを十台に、かき氷器を発注した事により、貴族達も自宅用のバーベキューコンロを発注。


 かき氷は商会で露店型式の準備に入ったそうで、スカイダイビングと共にバーベキューもブームとなる。







いつも読みにきてくださり、ありがとうございます。

当初は一人も読んでもらえないだろうと思っていましたが、読んでくださる方々が居る事が、これ程励みになるとは思いませんでした本当に、ありがとうございます。ポン達の旅は、まだまだ続きます…お付き合いいただけたら嬉しいです。

サブタイトルだけ変更いたしました。

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