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エルフとピクシードラゴン

「エルフさんは、どうしてこちらに?」エルフさん、抜けるように白いスベスベのお肌に色素の薄いような淡い水色の瞳に長い銀髪で、エルフのイメージそのままです、左の目尻に赤いホクロが三ッつ並んでるのがチャームポイントですね~

「私の事は、ニクスとお呼びください、この子はピクシードラゴンのアピスです」


「ピクシードラゴン?………ドラゴンの赤ちゃんですか?」


「よく驚かれますが、こう見えてもう立派な大人なのです」ニクスさん、肩にとまったピクシードラゴンの喉を撫でながら微笑んだ。


 頭からシッポの先まででも四十センチもないような小型のドラゴンで(半分以上シッポだけど)、金色からオレンジ色までのグラデーションが綺麗なボディに、紅くて膜みたいな羽が内側に向けてアーチをえがいた先には黒い鉤爪が見える、以外と戦闘力が高かったりするのかな?


 どこか稚げなのに、これで成体だなんてドラゴンのイメージが変わりそうな可愛らしさだ。




「ここ数日の地震で見回っていたところ、変わった魔力にひかれまして……」


 あ〜私達の事ですね、お騒がせしてます(テヘッ)


「なんだ、赤三つか」ミルトは食べ終わってから気付いたみたい(笑)


 ニクスさん結構な有名エルフさんだそうで目尻のホクロから『赤三つ』とか『赤星』とか呼ばれてるそうな。




 と、お互い自己紹介したところで私、またもや寝落ちしました。


 ほんと、すみません〜次に目を覚ますと、ニクスさん達も同行する事になってましたよ。




 起きて早々に隊長さんに泣かれました。


 どうやら寝落ちした私を肩に担いで兵達の所に届けてくれたそうなんだけど、私の身体がダラ~ンと揺れていて、その姿が生者のものとは見えず……


「自分一人の命では済まされない、これは国が滅ぶ事態だ……」と頭の中で走馬燈まで巡ったそうで、私のイビキが聞こえた瞬間、兵の方々全員、安堵から腰が抜けそうだったとか……




 いや、いっそ怒られた方がマシだった…わずか数時間の間に隊長さん十歳位は老け込んで…………やだ! 白髪まで!!!


 これからは単独行動はしないでいただきますって、ルーチェちゃんとピクシードラゴンのアピスちゃんも見張る、もとい護衛するという事になった。




 もちろん私に嫌なんて言えるわけないです、はい。


「のんびりついて行くつもりだったのに~」ってルーチェちゃんには言われてしまうし。

「そこは適当で〜」なんて言ってたら聞こえてないはずの隊長さんが、すかさず睨んできた。むしの知らせっていうの? それとも地獄耳?




 疲れた時には甘い物だよね?お詫びにラテと、黒パンをシュークリームに変性させて兵達に振るまってみる。


 皆、初めて食べる甘味とコーヒーに驚いてたけど喜んでいただけた~


 こっちには砂糖が無くて甘味は、蜂蜜かフルーツしかないそうだ。


 ラテにしたのはミルクで栄養補給と、少しでも胃に優しいかなって思って。


 皆の胃に穴を開けないためと、一人でコーヒーを飲むのが気が引けたのもあるけどね…




 片道五日の距離だけど半分も進まず、このままでは食料が足らないという事で、食事も変性させて作る事にした。どうやら質だけでなく量も増やせるようになったみたい……




 さっきから考えこんでいた、シリウスが真面目な表情で試したい事があるって、コツンっとおデコを引っ付けてきた。


 何だか頭から温かいシャワーをかけられて、それが乾いてくというか吸収されていくような感じで身震いする。


「……うわぁ〜思ったより出来たかも!」




 どうやら料理と料理名が一致してなくてリクエスト出来なかったらしい。


 私の記憶が見えるの? 聞いても上手く説明できないって……


 この日はシリウスのリクエストで、煮込みハンバーグにする。ずっと食べてみたかったそうだ。


 食事がしやすいように落ちている枝なんかを、ちゃぶ台に変えてみる……ケットシー達に合う高さに調節してみると広いけど脚が短くて安定感がある。次に木葉で座布団を出していく……なかなか良い感じに出来たわ!


 次は兵達用に、もっと脚を高くした物を三台出して座布団も出す。兵達は、交代で食事するから、この位かな? たりなければ、また出そう。


 後は普通の高さの長いテーブルを二台出して、片方は温かい料理用でもう一方は冷たい物と飲み物用に分ける。準備も整い、さっそく料理に取りかかる。


 濃厚デミグラスソースに大きめのハンバーグ、何とか皿から保温できる大きな炊飯ジャーみたいな物に変性できた! 四台あれば交代の人達の分までいけるかな……付け合わせには人参とじゃが芋とブロッコリーにしてと。お好みでトッピングにチーズと目玉焼き(黄身が半熟のね)もおいておく。


 もう一つの皿で大きめのカバー付きトレーを出してバゲットとバターロールを入れ、後はバターと蜂蜜にバナナとリンゴを出す。保温ポットは三台変性できた、それぞれコーヒー、紅茶、ハーブティーで満たしておき砂糖とミルクも。残ったら、アイテムボックスにしまっておけるしね、初めての食事変性いい感じじゃないかな?


 シリウスを見ると、目をキラキラさせながら、はね回っているし足にはルーチェとミルトがつかまって、のぞき込んでる。アピスちゃんはニクスさんに抱っこされて二人してクンクンして今にも、よだれが落ちてきそうなんだけど(笑)


 兵達も遠まきに、こちらをうかがっていたのだが、最初の一口を心配そうに食べたかと思うと一気に食べはじめた。


 料理を食べて、初めて隊長さんが満面の笑みを浮かべてくれた~


 皆、お腹いっぱい何度もおかわりしてたし料理が口にあって良かった……一安心だよ。


 美味しい御飯で少しでも労えたらいいな……野営の上に干肉と堅焼きパンだけの食事だなんて…ほんと大変な環境だよね?てか、それに拍車をかけてるのは私だったわ……ごめんね、食事で許してね…猫のようにごめん寝できたらね~


 魔法って本当に便利だよね。今は、そこら辺の土からでも変性出来るけど、心情的に食べるのはね……いよいよ何も無くなったら、こっそり作る事にしよう。







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