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第93話 スゴ技

「前回のクイズの答えは『ウナギの血液にたんぱく質性の毒があるから』だ! 知っていたか?」

 「あのー、『スゴ技』やりたいんですけど」


 大雅が受付の人に言う。

 マジでやるのか……。


 「あ、はい! では、こちらにお名前の記入をお願いします」


 受付の人は何かの紙を出し、ペンと一緒に大雅に渡す。

 大雅は数秒で紙に書かれている内容を読み、紙に何かを書く。


 「これ、お願いします」

 「はい、ではステージまで」


 大雅から紙を受け取り、受付の人は俺らを奥にある舞台みたいなところに促す。

 みんながゾロゾロと集まってくる。


 「じゃ、見てるからね」


 水麗が俺に手を振る。

 喧嘩シーンを見られるの……?


 「じゃ、お願いしまーす」


 さっきの受付の人が言う。

 早いな……準備時間とかないんだ……。


 「行くぜ、皆嘉」


 大雅はニヤリと笑い、皆嘉に殴りかかる。

 荷物持ったまま戦うの……?


 皆嘉は困った表情をしながら大雅の拳を止める。

 大雅は皆嘉の腹を蹴り上げようとする。


 皆嘉は後ろに退いて大雅の蹴りを躱す。

 そしてバク転をして荷物を落とす。


 バク転できるんだ……。

 まぁ、俺もできるから皆嘉にもできるか。


 「康輝! お前も参加しろ!」


 大雅は標的を俺に変えた。

 俺に殴りかかってくる。


 俺はため息をつき、大雅の拳を躱す。

 ……ヤバい……楽しいって思ってる……。


 「大雅、一回止まれ」


 俺が大雅に言う。

 すると大雅はピタリと動きを止めた。

 いい子になったな……。


 俺は皆嘉に近づいて、皆嘉に聞こえるくらいの声で言う。


 「皆嘉、相談がある」

 「? なんだ?」

 「観客を楽しませたい。わざと大雅の攻撃を喰らって、吹っ飛ぶフリをしたいんだけど……」

 「……面白そうだ。やろう」


 よし、ここからもっと楽しくなるぞ……。

 大雅は俺と皆嘉の話が終わったと気づき、俺に殴りかかる。


 俺は敢えて大雅の拳を顔面に喰らう。

 そして吹っ飛んだフリをして、バク転して体勢を立て直す。

 ……これやるの久しぶりだな……。


 大雅は今度は皆嘉に殴りかかる。


 皆嘉はどうやってくれるのかな……?

 ……? 皆嘉……?


 皆嘉が観客を見て、細い目をしている。


 「……ここまで来るのか……」


 皆嘉はそうつぶやく。

 誰かいるのかな……?


 って、皆嘉ヤバいぞ!

 大雅の拳を喰らうぞ!


 大雅が容赦なく皆嘉の顔面を殴る。

 皆嘉は殴られたにもかかわらず、微動だにしない。


 すげぇ……皆嘉めっちゃ強いじゃん……。

 防御力が高い系の男かな……?


 「おい、お前ら! お前らも攻撃して来いよ!」


 大雅は不満気に大声を出す。

 いや、だって……俺が攻撃したらお前負けるじゃん。


 ……でも本人の要望だ。

 やってやるか。

「やはり喧嘩バカは喧嘩バカか……。ではクイズだ! 『バーベキューをしたとき、水麗は食材に何かを持っていた。〇〇の丸焼きはが美味しいと言っていたが、何の丸焼き?』。覚えているか……?」

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