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第87話 日曜日の約束 〜ショッピングモール〜

「前回のクイズの答えは『撃つタイミングを見て避けている』だ! だから普通避けれないって!」

 「……お主等……ずるくないか……?」


 いつも通りみんなで帰ってたら美月が言った。


 「ずるいって……何がだよ?」


 大雅が美月に訊いた。


 「我は窓から見ていたぞ……体育のときのお主等を……」


 ……確かにあれを見たらそうなるよな、普通……。


 「? なんか変わったことあったか?」

 「ありまくりだったよ」


 皆嘉が答える。

 変わったことってか……なんていうんだろう……。


 ほぼ反則行為だろ……。


 「? 何かすごかったの?」


 冬乃が美月の顔をのぞくようにして訊く。

 冬乃は見てないのか……。


 「こやつら、あり得ないことをした」

 「あり得ないこと……? ……今日一組体育祭の練習だよね? 何があったの?」

 「大玉送りを十秒ほどでゴールしていた……」


 美月の言葉に冬乃はめっちゃ驚く。

 俺は大玉送りは何もしてないぞ……?


 ついでに玉入れも何もしてないぞ……?


 全部大雅と皆嘉と白斗がやったんだぞ……?


 「そんなの絶対に赤団が勝つじゃん!」

 「えっと……冬乃……? 俺は何もしてないからな……?」

 「私も何もしてないよ?」


 俺が()()冬乃に言うと、水麗も言った。


 「……あ! それとさ!」


 冬乃が急に何かを思い出したように言う。


 「今度の日曜日、みんなでどっか行かない?」


 どっかって……。


 「まぁ、どっかって言ってもショッピングモールだけど。そこで色々としたいことあるし、してほしいことがあるんだ!」


 『してほしいこと』……?

 ショッピングモールですることと言ったら買い物くらいしか思いつかないんだけど。


 「……ショッピングモールか……あんまり行こうと思わねぇな……」


 大雅が遠慮なく言う。

 確かに大雅にとっては退屈そうだな……。


 「じゃあさ、うちのラーメン屋のタダ券あげる! しかも十枚!」


 冬乃がポケットに手をつっこむ。

 そしてその中から何かの券を何枚か出した。


 冬乃のラーメン屋のタダ券か……?

 ってか、あそこの店にタダ券ってあったのか……。


 「! マジか!」

 「行く気になった?」

 「ああ! 行く! 康輝も行くよな?」


 大雅……食い物に弱いな……。


 俺も行くのか……。

 ま、予定とかないし行くか。


 「ああ、行く……」

 「よし! 白斗は行く?」

 「僕は用事がある」


 用事……なんだろう……。

 勉強しかしてなさそう……。


 「えー、白斗暇じゃないの?」

 「全然暇じゃない」

 「……じゃあ白斗以外の人はいける?」


 ……なんかその言い方、白斗がかわいそう……。

 でも白斗はなんともなさそうな顔をしている。


 「じゃ、詳しくはメールで……」


 冬乃がスマホを出したとき、冬乃のスマホが震える。

 誰かから電話きたのかな……?


 「なんでこのタイミングで……」


 冬乃はそうつぶやき、スマホを操作する。

 そして耳に近づけた。


 「なに? 今いいところだったんだけどー」

 『お客さんがいっぱいいるの! 手伝って!』


 冬乃のスマホから女の声がする。

 お母さんかな……?


 「えー、なんでー? ってか、うちのお店そんな人気じゃないでしょ! 私が行かなくても、他に店員さんも雇ってるんでしょ?」


 『人気じゃない』って……めっちゃ人気じゃない……?

 冬乃の店。


 『いいから!』

 「もー、わかったよ!」


 冬乃が電話を切る。


 「……なんか急いで帰らなきゃいけないみたい。ごめんね!」


 冬乃はそう言って走り出した。


「今度はショッピングモールか……また変なことが起きそう……。今回は冬乃もいるし……。ではクイズだ! 『夏祭りのとき、康輝は迷子の子にとある食べ物を買ってあげた。その食べ物は?』。……また特に言うことはない……」

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