第84話 帰り道
「前回のクイズの答えは『ケーキ』だ! 美味かったな!」
「暑い……」
水麗が汗を流しながら言う。
帰り道、いつも通り帰っていた。
けど今日は冬乃と霧宮がいる。
それと反応遅れたけど、今日は確かに暑い。
「結局桃太郎になったねー」
冬乃が霧宮を見ながら言った。
めっちゃ笑顔……。
「なんで僕を見る?」
霧宮は目を細くする。
「え? いやね、なんて名前なのかなって」
「霧宮だ」
「そっちじゃなくて、名前! 下の方!」
確かに霧宮の名前知らないな……。
「……白斗だ」
白斗……!
めっちゃかっけぇ名前……!
「へー! じゃあこれから白斗って呼ぶね!」
「お好きにどうぞ」
霧宮は冬乃を見ないで言う。
……いや、これから『白斗』って呼ぼ。
そっちの方がかっこいい。
「……? 水麗……?」
美月がつぶやく。
水麗……?
確かに水麗がいない。
どこいった……?
すると、横にあるコンビニのドアが開く。
そこから出てきたのは水麗。
手にはアイスキャンディーを持ってる。
「あ! 俺も食いてぇ!」
大雅が水麗の持っているアイスキャンディーを見る。
「じゃ、買ってきな?」
「ああ! 待ってろよ!」
大雅がコンビニに入る。
水麗は美味そうにアイスキャンディーを食べる。
「お兄ちゃんもいる?」
水麗は一口かじったアイスキャンディーを俺に向ける。
「いや、いい。今アイスキャンディーの気分じゃない」
「あ! お前ら! 買い食いか!」
……先生の声。
振り向くと先生がいた。
「あ! はい! 美味しいですよ!」
水麗が元気に言う。
そういう問題じゃないだろ……。
「そうか! 買い食いは俺以外の教師に見つからないようにしろよ! ちゃんと歯磨けよ!」
先生はそう言ってどこかに行った。
荷物持ってたから帰りなのかな……?
ってか許すんだ……。
『買い食いは俺以外の教師に見つからないようにしろよ!』って言ってたし、買い食いは基本ダメだよな……?
「いやー、前崎先生って優しいね!」
冬乃が先生の背中を見る。
こういうのは優しいって言うのか……?
「悪ぃ、待たせた!」
コンビニから大雅が出てくる。
手には……カップ麺……?
アイスじゃないの……?
「……なんでカップ麺持ってるんだ……?」
皆嘉が大雅に訊く。
「美味そうだったから!」
「…………」
黙り込む皆嘉。
大雅、社会で生きていけなさそう……。
「アイスは買わなかったんだ……」
水麗が、笑顔の大雅に言う。
「金がないから」
「カップ麺なんか買わなければよかったのに……」
水麗が大雅に言う。
水麗が大雅に心配してる……?
こんなの初めてかも……。
ってかこういうのって『心配』って言うのかな……?
「ハクト……霧宮に似合わぬ名前だな……。こんなことを言ったら失礼か……。ではクイズだ! 『大雅は康輝と話すとき最初は康輝のことを、お前、と呼んでなかった。なんて呼んでた?』。難しいか?」




