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第83話 体育祭の出し物決定

「前回のクイズの答えは『焼きそば(りんご飴)』だ! これはな……水麗が焼きそばを食べている描写がないから答えが二つになった……」


 「今日は体育祭について話すぞー!」


 先生が色々と紙を持ってきて言う。

 なんか四限目の現代文がなくなった。


 そして『体育祭の出し物を何にするか』ってことを決めるらしい。


 「お前ら一年生は演劇ををすることになった。何の演劇をしたい?」


 先生が俺らに訊く。

 何の演劇って言われても……。


 水麗は眠そうに聞いてるし、大雅は『俺には関係ない』って感じだし……。


 「シンデレラがいいでーす!」


 一人の女子生徒が大声で言う。


 「そして! 私がシンデレラ役で、皆嘉くんが王子様!」


 ……皆嘉をなんだと思ってんだよ……あいつ……。

 大雅に殴られてほしいな……。


 「そうか! 保留! 風崎は何がいい?」


 しれっと女子生徒を無視する先生……好きだわ……。

 ってかなんで大雅?


 「あ? 俺? 俺は康輝と殴り合えるならなんでもいいなー。……あと皆嘉とも殴り合いてぇ」


 いやいや、体育祭に殴り合いって……。


 「は!? 皆嘉くんを殴るの!? 皆嘉くんの顔が傷ついたらどうするの!」


 また一人の女子生徒が叫ぶ。

 お前は皆嘉の恋人かよ……って、こういうのは恋人じゃなくても心配するか。


 「あ? なんだお前? 皆嘉が汗を流して俺を殴るシーンが見れるんだぞ? 見たくねぇのか?」


 大雅がニヤリと笑いながら言う。

 すると、その女子生徒は黙った。


 そんなに見たいのか……?


 「大雅ー、それはいいけどさ、お兄ちゃんは傷つけないでね」


 水麗は大雅を細い目で見ながら言う。


 俺が大雅に傷つけられる……あり得るな……。


 「大丈夫だ。俺が康輝を傷つけられるわけねぇから」

 「……そっか、大雅弱いもんね」

 「おいおい、『康輝が強い』って言えよ。俺は平均くらいだ」


 いやいや。

 大雅が平均だったらこの世界終わってるぞ?


 「そっか! 康輝と戦いたいのか! じゃあ桃太郎にするか!」


 桃太郎……。

 高校生にもなって桃太郎……。


 大雅が『ダサっ!』とか言うだろ……。


 「あ! いいな! 鬼役がいい! そうすれば康輝と戦えるだろ?」

 「そうとは限んねぇよ……」


 俺がやっと口を開ける。

 だって……俺がおじいさん役とかだったら戦えねぇし……。


 「じゃあ皆嘉くんは桃太郎!」


 また誰かが大声で言う。

 しつけぇな……。


 「……? 先生、ちょっと待ってください」


 俺が手を挙げて先生に言う。


 「桃太郎だと役が少なくないですか? 役がなくて、劇に参加できない人がいると思うんですけど……」

 「そこは『村人A』とかでいいでしょ」


 霧宮が本を読みながら言う。

 久しぶりに聞いた気がする……霧宮の声……。


 しかも霧宮がみんなの前で喋ったの初めてじゃない……?

 それと『村人A』って……冬乃と同じじゃん……。


 「よし、桃太郎でいいか? じゃあ決まり!」


 ……もうちょっとちゃんと討論とかして決めましょうよ……。



「やっぱり『村人A』か……。ではクイズだ! 『康輝の誕生日のとき、最初にみんなで食べたのは?』。楽しかったな……」

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