第82話 もう恋愛はしない
「前回のクイズの答えは『バレなきゃ犯罪じゃねぇ』だ。……ところで皆、『今日投稿日じゃなくね?』と思ったか? 詳しくは後書きに!」
「お兄ちゃんー。現代文教えてー」
夜、夕飯食って勉強してたら水麗が言ってきた。
ドアを開けると、教科書を持っている水麗がいた。
「小説のところなんだけど……」
「わかった、読ませてくれ」
水麗から教科書を受け取り、目を通す。
内容は『義理の妹ができた男が、その義理の妹と色々と生活する』という内容だった。
「で、どこの問題がわからないんだ?」
「えっと……この……『傍線部の部分の兄の気持ちは?』ってやつ……」
傍線部……『私……兄の事好きになるって……おかしいかな……?』。
妹のセリフか……。
…………。……? 待って……これって……。
「……お前……わかってて訊いてるだろ……?」
「ほ、本当にわかんないよ! だから訊いてるの!」
「…………」
……しかもこの物語、俺と水麗みたいだし……。
「……で、お兄ちゃんはどう思う……?」
「どう思うって……何がだ……?」
「……妹に恋されて、どう思ってる……?」
どう思ってるって……。
「嫌いなら嫌いって言ってほしい……。本音が聞きたい……」
そんなの……。
「……もう恋愛はしない、そう誓った。好きとか嫌いとかない」
「……なんで……恋愛しないの……?」
俺はため息をつき、スマホ出す。
そして電源をつける。
そして一枚の写真を水麗に見せる。
その写真には一人の女が映っていた。
赤色のヘアピンをしている。
「……これ……誰……?」
「察してくれ」
「……あ、もう……いたんだ……」
『すでに恋人がいる』と、思ったのかな……?
『康輝、もういいって……』
頭の中に声。
『もういいって』って言われても……。
「えっと……水麗……? 俺に今は恋人いねぇぞ?」
「え……?」
「今恋人いたら、もっと楽しくやってる」
「……あ、別れちゃったのか……」
そこまで言って水麗は口を塞ぐ。
「別にいいぞ? もう慣れたし」
「……でも……ごめん……」
「だから大丈夫だって。これで二人目だし」
『二人目』ってワードに水麗が反応した。
『すでに二人の人と付き合った』って解釈したのかな……?
水麗がめっちゃ驚いて俺を見てる。
まぁ……別に変なふうに思われてもいいけど。
「……今……その人……どこにいるの……?」
水麗が訊く。
「上」
「? 上……?」
水麗が上を見る。
もちろん、天井しかない。
「ああ、ずっと上。俺の父さんと同じところにいると思う」
「……! ごめん! 変なこと訊いた!」
水麗がめっちゃ慌てた様子で言う。
……こいつ、俺の父さんが自殺したってことしってるのか……。
「別にいいよ。それより、これからもいつも通りに接してくれ。お前は俺の大事な妹だから」
「……うん……」
水麗はトボトボしながら帰っていった。
……話してよかったのかな……?
「今日投稿した理由なのだが……明日は投稿できぬ! だから代わりに今日投稿した! そしてクイズだ! 『夏祭りに行ったとき、水麗が最初に食べたのは?』。いきなりの投稿ですまぬ……」




