第81話 まだ皆嘉は……
「前回のクイズの答えは『炭』だ! この時間帯に投稿するのは初めてか……?」
「皆嘉はどうだ?」
放課後、美月一組に来た。
皆嘉は一日中誰かに囲まれていた。
男子生徒、女子生徒ほぼ全員が皆嘉の周りにいた。
「めっちゃ人気」
俺が言うと、美月が舌打ちをする。
「殴らねぇとわかんねぇか……」
美月が地声にって皆嘉の周りにいる生徒を睨む。
……こいつ大雅よりヤバいかもしれない……。
「落ち着けよ美月、ここで殴ったらアイツらと同じだぞ?」
「…………」
美月は黙り込む。
すると、皆嘉にまた誰かが近づく。
……あれって……まさか……。
「お前ら、いい加減にしろよ」
その男が言う。
その男は、前に皆嘉に謝った男だ。
……つまり、俺を殴ったやつ。
「皆嘉にまず謝れよ」
「はぁ? 皆嘉を最初にいじめたやつがよく言うぜ。なんだ? やるか?」
皆嘉の周りにいた男子が、俺を殴ったやつに言う。
「……ああ……外出ろ」
「おお! いいぜ!」
二人は外に出ようとする。
……まぁ……俺は必要がない限り人は殴らないって決めたし……。
「おい、待てよ」
……大雅……?
大雅が二人の前に立つ。
「お前さ、弱いんだからすぐ喧嘩とかしようとするな」
大雅が俺を殴ったやつの肩に手を乗せる。
……ごめん、こいつらの名前わかんない……。
わかりにくてごめんね……。
「おい、お前。喧嘩してぇなら俺がやってやるよ」
うわー、怖……。
男は大雅の目を見ないで、皆嘉のとろに帰る。
大雅の強さ、知ってんのか……?
「……ッチ、覚悟ねぇなら初めから喧嘩売るなよ」
大雅はブツブツ言いながら俺らに近づく。
「大雅、我が言いたい事言ってくれてありがとう」
美月が少し笑顔になる。
「別にそれはいいけど……」
……大雅……? 照れてる……?
いや……大雅が美月相手に照れるわけないか……。
「それと美月、今日の部活なんだっけ?」
大雅が美月に訊く。
美月が知ってるわけ―――
「忘れたのか? 今日は体力づくりだ」
……え? なんで知ってるの……?
美月も陸上部……?
「よし、わかった。ありがとう。先部室行ってるわ」
大雅が教室から出る。
「えっと……美月……? お前……陸上部なのか……?」
「? 我か? 我は陸上部のマネージャーだ」
……マネージャー……?
え……美月が……?
「そんなに驚くか?」
「あ、あぁ……。だって……お前だから理科部とか行きそうかと……」
「我は生物に興味があって理科には興味はない」
……確かにそうだな……。
「でも……お前……弓道部とか似合いそうだし……」
「そんなこと言ったらお主に将棋部は似合わぬぞ?」
……まぁ、確かに……。
「我が陸上部のマネージャーということに驚いたか? ……てか康輝、『弓道部』と言っておったが、我に弓が似合うか……? ではクイズだ! 『バーベキューのとき、大雅が美月の肉を食ったとき水麗に注意された。そのとき言った言葉は?』。もうバーベキューはやめてくれ……!」




