第77話 体育祭の準備を手伝う
「前回のクイズの答えは『鬼』だ!」
「……はい?」
俺は目の前にいる先生に言う。
「えー、もう一回言うのか……? 体育祭の準備を今日から手伝ってくれ」
体育祭の準備……?
しかも今日から……?
「……あ、今日予定とかあるなら別にいいけど」
いやいや、そういうのは別に大丈夫です。
体育委員になったからかな……?
体育委員なんてならなければよかった……。
なりたくてなったんじゃないけどね……。
ジャンケンで六回も連続で負けたせいたからね……。
ちなみに今は放課後。
終礼が終わったあと先生に呼ばれた。
水麗は図書室に用があるみたいで、そこで俺のことを待ってくれてるらしい。
ちなみに大雅は皆嘉と帰りやがった。
霧宮は知らん。
多分独りで帰ってると思う。
あいつが俺ら以外の人と話してるのみたことないし。
「―――だ。わかったか?」
先生が何か言ってる。
ヤバい……あいつらのこと考えてて何も聞いてなかった……。
「えっと……もう一回お願いします……」
「わかった。お前の他にも一年生でもう二人いる。お前の後ろにいるから見てみろ。二人とも女だ」
……? え……? 俺の後ろ……?
俺は振り向く。
そこには美月と冬乃がいた。
「こいつらも体育委員だ。今日は体育祭で一年生の出し物を決めてくれ。決まったら俺のところまで来てくれ」
先生はそう言ってどこかへ行った。
多分職員室だろう。
「康輝も体育委員だったんだ〜」
冬乃がいつも通りの笑顔で言う。
『康輝も』ってことはこいつらも体育委員か……。
美月は体育委員ってことはまだわかる。
初めて俺が皆嘉がいじめられてるところ見てナイフで脅したときだったな……。
美月と先生に呼ばれたしな……。
でもそのときなぜ冬乃は呼ばれなかった……?
「康輝ってさ、なんで体育委員になったの?」
うわ……言いたくないわ……。
ジャンケンで六回連続で負けたなんて……。
「ああ、我は知っておるぞ? ジャンケン六回連続で負けたんだろ?」
……え……? なんで知ってるの……?
……まさか……後書きにあるクイズコーナーか……!
作者め……!
「へー、私はジャンケン二十回連続負けたけどねー」
! ここに仲間がいる……!
二十回……!
すんげぇ確率……!
逆に喜ぶよね……?
二十回連続負けたら。
「それよりさ、出し物何にするー?」
「康輝と大雅が本気で喧嘩すれば盛り上がると思うぞ?」
いやいや、暴力嫌いな人からしたら拷問だぞ……?
ってかこういう学校の行事で殴り合いしないほうがいいでしょ……?
それより早く決めねぇと……帰って勉強しなきゃいけねぇのに……。
……あ、今日部活だった……。
「おお、康輝が作者を恨んでおる! 人が恨まれてるところを見るのは面白いのう! ではクイズだ! 『サバゲーに行ったとき、康輝たちはロッカーを使った。それは何列の35から38?』。難しすぎるだろ……。それとしばらくは日曜投稿は難しそうだ。すまぬ」




