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第73話 喧嘩の気配?

「前回のクイズの答えを出すのが遅れた! すまぬ! 前回のクイズの答えは『将棋部』だ!」

 「! 喧嘩の気配!」


 道を歩いてたら急に大雅が言う。

 そして隣りにある路地裏に行く。


 すげぇ……喧嘩レーダーあるのか……?


 「……お兄ちゃん喧嘩の気配ある?」

 「……わからねぇ……」

 「まさか……!」


 皆嘉も路地裏に走る。

 なんで……こいつら喧嘩の気配とかわかるの!?


 とりあえず俺もそこに行く。

 水麗も美月もついてくる。


 ……向こうに何か見える……。

 誰かが殴られてる……?


 昨日俺を殴った男子生徒が誰かに殴られている。


 「お前、やめろ!」


 皆嘉が大雅を追い越して、殴っている男を殴る。


 「あ、俺も殴りてぇ!」


 大雅が変なこと言ってるのは無視する。

 皆嘉に殴られた男は吹っ飛び、倒れながら皆嘉を睨む。


 「チッ……皆嘉……!」

 「昨日も言っただろ! なぜ関係ないやつも殴るんだ!」


 うわ……なんか口論始まりそうなんだけど……。


 「……テメェがいねぇから今日はやりたい放題だったのにな……」


 男は立ち上がり、どこかへ行く。

 特に口論とかなかったな……。


 「……おい」


 皆嘉は例の男子生徒に顔を近づける。


 「ここから帰るのは危険だ。違うところから帰れ」


 男は今にも泣きそうな顔で立ち上がる。

 そして無言で走り出した。


 やっぱりあいつ弱いな……。

 あいつに殴られたと思うと気分悪いな……。


 「皆嘉、あいつ誰だよ」


 俺はさっき逃げていった男のことを思い出しながら皆嘉に訊いてみた。

 『テメェがいねぇから今日はやりたい放題だったのにな……』とか言ってたな……。


 「なんか知らないけど、最近学校の近くに来るんだ。そして生徒を殴ろうとするから、俺が殴るんだよ。そしたら帰る、っていう変なやつ」

 「……警察に通報したほうがいいと思うよ……それ……」


 水麗の言う通り……かな……?


 「いや、今日を除いてあいつは一回も生徒を殴ってない」


 あいつも弱いのか……。


 「なんだよ、あいつ弱いのかよ。あーあ、なんか来て損した。帰ろうぜ」


 大雅が退屈そうな顔をして、もと来た道を戻る。

 人を強いか弱いかで判断するのかよ……。





 「……へー、あれがいじめられてた子か……」


 康輝たちが帰ったあと、一人の女子生徒が独り言を言う。

 その女子生徒は、康輝たちが先刻までいた路地裏にいた。


 「面白そうな人なのに、なんでいじめられるんだろう……」


 女子生徒はスマホを出す。

 母親から電話がきていたからだ。


 「はーい、どうした?」

 『帰り遅いけど、今アンタどこにいるのよ?』

 「どこだと思う……? ヒントあげる! 女子高生といえば彼氏できるよねー。それと、今日家に帰らないから」

 『……まさかアンタ……!』

 「ハハ! 冗談冗談! 彼氏なんていませんよー!」

 『冬乃!』

 「じゃ、電話切るねー」


 女子生徒はスマホの画面を押す。

 そして、走り出した。

「すまぬ! クイズを出すことを忘れていた! 早速クイズだ! 『我は第何話で登場した?』。本当にすまぬ!」

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