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第7話 自己紹介

 「よーし、お前らが新しい俺の生徒か。俺は前崎衆人(まえざきたみと)だ」


 教室に入ってきた先生はそう言う。

 ……なんか、キャラ濃い先生な気がする。


 「お前ら、まず自己紹介からするか。はい、出席番号一番から」


 先生はそう言い、横へ避ける。

 すると、一番前に座っている男子生徒が前に出る。


 そんな急に自己紹介するの……?


 「藍欄唆太(あいらんさきた)です。趣味はゲーム、好きな食べ物はカレーです」


 そんな感じのことを言ってそいつはもとの席に戻る。

 そして、次の男子生徒が立つ。


 うちの学校は男子、女子の順番で出席番号が決められているから、水麗は結構最後の方だ。




 気づいたら俺の番だ。

 俺は立ち、前に行く。


 「えっと……橋本康輝です。趣味は……ゲームで……他は……」

 「あ、お前、入学式で盛り上げてくれたやつだろ?」


 先生がそう言う。

 ……え? 盛り上げた?


 「あんな空気の中で大声出せるなんて、先生びっくりしたぞ」


 ああ、あれか。

 絶対何か言われると思ったけど、まさかここで、みんなの前で言われるのか。


 「はぁ……」

 「はい、先生から質問! 好きな人のタイプは?」


 ……は?

 いや、先生がこれ訊くか?


 ……答えるしかないか。


 「……どんな俺でも、好きになってくれる人……かな……?」


 俺は言う。

 ……ヤバイ、思い出してしまう。


 ここで泣きたくはない……。


 「ほう、先生に向かってその口調か」

 「……え、あ! すみません!」

 「いや、俺は好きだぞ。お前みたいなキャラ」


 結果、俺は最悪な自己紹介をして終わった。


 



 ……お、水麗が立った。

 次はあいつの番か。


 「橋本水麗です。好きな食べ物はすき焼きで、橋本康輝の妹です!」


 あ……あいつ……秘密にしようと思ったのに!

 なんで言っちまうんだ!


 うわぁ、みんなが俺を見てる……。

 こんなことで目立ちたくないのに……。


 まじで俺の学校生活がヤバいことになりそうだ。


 「よし、次はロッカーを見に行くぞ。出席番号奇数のやつは廊下に出ろ」


 先生はそう言い、廊下に出る。

 俺は十一番だから、先に廊下に出るのか。


 俺が立つと同時に、水麗も立つ。

 ……マジか、あいつも奇数か。


 嫌な予感がする。

 

担任の先生、個性的ですね~。

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