第6話 教室で……
……もう朝か……。
俺は目が覚めてしまった……。
今日から学校だ……。
……待って、昨日は水麗が俺と寝てたよな……。
ってことは……!
俺は慌てて起き上がる。
「あ、お兄ちゃん。おはよ」
やっぱりいたー!
「水麗! なんで俺のベッドにいるんだよ!」
「いや、寂しくなって」
水麗も起き上がり、一階に行く。
俺も一階に行ったが、やはり父さんと母さんはいない。
「ご飯もうつくってあるんだ」
水麗はそう言い、俺が使っている茶碗に米を盛る。
……ってことは水麗は一度飯をつくってから俺のベッドに来たのか?
ああ、もう来てしましまった。
今俺は楓野学園……つまり、俺の高校の前に来ている。
ああ、ヤバイ……。
「私たち一組だよね?」
「ああ……」
俺らは黙って一年一組の教室に向かう。
中に入ると、数人の人が座っている。
そして、前にある黒板には座席表が貼ってあった。
「あ、私が見てくるよ」
水麗がそう言い、一人で前に行く。
「……お兄ちゃん、そこだって」
水麗は空いている一つの席を指す。
「わかった」
俺は黙ってその席に座る。
水麗は俺の隣に座る。
結構な人が来た。
もう二十人はいるだろう。
「……あの……」
一人の男子生徒が俺に話しかける。
眼鏡をかけている、ちょっと陰キャっぽいイケメンだ。
「……はい?」
「そこ、僕の席です」
「……はい?」
俺はちょっと驚く。
そしてみんなが俺を見る。
「そこ、僕の席です」
「……えっと……」
「あなた、もしかして『橋本康輝』さんですか?」
「はい……そうですけど……」
「あなたの席、そこですよ?」
男が空いている席を指す。
その席は、水麗の隣の席だ。
……待って、水麗がなんか笑ってんだけど。
「す、すみません!」
俺は大声でそう言い、その席に座る。
水麗はそれを爆笑している。
「……水麗……お前……」
「ごめんごめん、面白そうだったから」
爆笑している水麗を俺は睨む。
ああ、マジでやらかした。
どうしよう……俺のイメージ……。
もうやだ……。
あ、先生が入ってきた。
いきなりやらかしましたね、康輝(主人公)。
こんな感じでしたね、我の学園生活は(我の経験をモデルにしています)