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第58話 夏祭り 〜大雅と合流〜

前回のクイズの答えは『ダンス部』だ! わかったか?」

 「ったく……あいつ、どこにいるんだ……?」


 俺たちは夏祭りが開催している場所に着いた。

 でも、大雅の姿はない。


 「どこかで遊んでるのではないか? かき氷屋のおっちゃんとかに喧嘩売ってるのではないか?」


 美月……大雅のイメージ……


 「よっしゃあ!」


 射的屋からあいつの声がする。

 もちろん、大雅の声だ。


 俺は射的屋に向かう。

 そこには射的用の銃を持った大雅がいた。


 「お! 康輝じゃないか!」

 「お、おう……お前……」

 「聞けよ! 今めっちゃ良いの倒したんだ!」


 良いの……?

 なんだろう……


 そのとき、射的屋のおっちゃんが何か大きい箱を持って大雅に近づく。


 ……それ……最新のビデオゲーム機!?


 「お、サンキュな!」


 大雅はそれを受け取り、俺に見せるようにする。

 す、すげぇ……


 「じゃ、これ家に持って帰るわ!」


 大雅はそう言い残し、走り出した。


 「お兄ちゃん!」


 水麗と美月が今、俺のとこに来る。

 

 「さっき大雅がここから出ていったけど……」

 「あいつ、デケェゲーム機当てやがった。それを家に置くために帰った」


 大雅が本気で夏祭りを楽しもうとしてはダメだな……

 焼きそばを食い荒らし、金魚すくいは全部すくって、くじ引きも当たるまでやる。


 「……あ、我、食いたいものがある」

 「え? 何?」

 「焼きそばだ。この前食えなかったからな」


 この前……焼きそば食えなかった……?

 ……ああ、バーベキューのときか。


 大雅が美月をいじめたやつか。

 確かにあれはかわいそうだったな……


 「じゃあ、我行ってくる!」

 「あ、私も!」


 美月と水麗は歩き出す。

 俺も行くか。


 そう思って歩こうとしたときだった。


 「―――あの」


 俺の脚が誰かに当たる。

 五歳くらいの女の子だ。


 「……ママ……どこか行っちゃった……」


 女の子は泣きそうな声で俺に言う。

 迷子か……


 俺は頭を低くして、女の子と顔を合わせる。


 「そっか……ママとどこまでいたの?」

 「かき氷屋さん……」

 「じゃあ、お兄さんとかき氷屋さん行ってみよっか」


 俺はなるべく笑顔をつくり、女の子の手を掴む。

 ……いや、ここは人が多いから背負った方がいいかな……


 「ねぇねぇ、おんぶしていい?」

 「うん……」


 いい子だ。

 俺はしゃがみ、女の子に背中を見せる。


 女の子は俺の背中に乗る。

 俺は立ち上がる。


 「痛かったりしない?」

 「うん……」

 「よし、じゃあ行くよ」


 俺は水麗たちが行った方向とは逆の方向に向かった。

 見つかるといいな……

「でかいゲーム機……大雅に必要か……? あやつ、外で喧嘩しているイメージが……ではクイズだ! 『大雅は何部?』。水麗の次は大雅か……」

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