表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/351

第56話 謎の『カンパーイ』

「前回のクイズの答えは『焼きそば』だ。……食べたかった……」

 「カンパーイ!」


 『カラン』という音が響く。

 皆がジョッキを当てあった。


 もちろん中はジンジャーエールなどのジュースだ。


 そんなことはどうでもいい。

 今俺は焼肉屋にいて、水麗や美月、大雅の他に、俺たちがさっきのサバゲーで戦った相手もいる。


 なんでこうなったのかというと……





 「お疲れ様!」


 俺たちが防護服を脱いでいると、敵だった四人のやつが俺たちのところに来る。


 「ギリギリ負けちゃったよ」

 「ああ、ギリギリ勝ったな。……どうだ? このあと飯食いに行かないか?」





 ……と、大雅がいきなり変なこと言ったからこうなった。

 この焼肉屋、地味に高い。


 食べ放題だし、量を加減して値段を下げることはできない。

 ギリギリ持ってる金額だけど…


 「……食べないの?」


 敵だったやつが俺を見て言う。

 食べますよ、めっちゃ高い金払うんだから。


 「……ああ、心配しなくていいよ。お金は僕が払うから、全員の分」


 ……はい? 今あなた何と言いました……?

 全員分払う……?

 そんな大金あるんですか……?


 「大丈夫ですよ」


 めっちゃ心配してる俺に敵だったやつの一人が話しかける。

 『敵だったやつ』って言い方嫌だな……

 でもそれ以外に思いつかないし……


 『元敵』でいっか。


 「あいつは大金持ちなんです」


 ……あ、そうなの?

 じゃあ遠慮なく食べよ。


 「……俺さ、思うんだよね」


 大雅が焼けた肉を見ながら言う。


 「これさ、牛肉だよな?」

 「ああ」

 「……ってことは生きてたんだろ? 親もいて、友達、恋人もいたかもしれない。いきなりトラックに乗せられて、到着した場所で解体されたのか。死にたくなかったのかな……?」


 ……大雅、確かにいいこと言ってる。

 でもな、今言うことじゃないだろ。


 みんな美味そうに肉食ってるのに、なんで今言うの?

 食べたあとで言おうよ。


 ほら、みんな箸がとまった。


 「……私、今日は冷麺だけにしよっかな」


 水麗が箸でつかんでいる肉をチビチビ食べながら言う。


 「俺も……ライスだけでいいや」


 元敵も言う。


 「我はハラミを食べたい」


 美月は何の変化もなく言う。

 ……こいつ、生物が好きだったな……

 生物の死ぬ瞬間とか、そういうのは慣れてるのか……


 「あ、俺はカルビ!」


 大雅はめっちゃ元気に言う。

 なんであんなこと言ったお前がそんな元気なんだよ。


 普通逆だろ、みんなと。


 ……『みんな』で思い出した。

 皆嘉とも焼肉行ってみたいな……


 なんか楽しそう……


 「? 康輝、食わないのか?」


 大雅が俺を不思議そうな顔をして見る。

 ……わざと言ってる……?


 「く、食うよ!」


 俺は肉を口の中に入れる。

 うん、美味い!

「大雅の唐突の発言……皆箸が止まっていた……そんなことよりクイズだ! 『水麗たちが学校行事のことについて話していた。そのとき水麗は『〇〇を褒める会』と言っていた。〇〇とは?』……そんなことあったっけ……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ