第50話 銃撃戦 開始
「前回のクイズの答えは『高い』だ。よくない問題だな……」
開始の笛とともに、俺は進んだ。
とりあえず、この弾がどれくらい速いか見たい。
無駄撃ちはしたくないし、向こうのやつらが撃つのを待つしかない。
俺たちと向こうのチームの距離は約五十メートル。
その間には様々な障害物がある。
「大雅、最初どうする?」
「とりあえず、一人は殺しておきたいな」
「康輝、我の銃持つか?」
急に美月が変なことを言い出す。
お前、それがなくなったらどうやって戦うんだよ……
「我なら大丈夫だ。ポケットナイフがあるからな」
「……やめときなさい」
ポケットナイフって……マジで殺せるやつじゃん……
「お兄ちゃん……私、当てられる自信ないよ……」
今度は水麗が不安そうな顔で俺に言う。
確かに水麗は戦いに向いてないな……。
「大丈夫だ。敵を全員ウザいやつだと思え」
「……わかった。全員佐藤だと思う」
「……昔、その佐藤ってやつに何されたんだ?」
「胸揉もうとしてきた」
キモ……。
こういうのはよくないからもう考えないようにしよう。
ちっちゃい子が見てるかもしれない。
……いや、見てないか……。
そんなことを考えていたら、向こうから『バーン!』と発砲する音が聞こえた。
早速撃ったみたいだな。
「威嚇してるのか? あいつら」
今回は大雅に訊いてみよう。
あのチームと戦ったことあるみたいだし。
「さあ? 遊んでんじゃね?」
大雅もわからないのか。
じゃあ仕方ないな、何も考えず行くか。
まぁ、俺は考えるの嫌いだからそれが一番良い方法かもな。
そんなことを考えていたら、前から敵が一人現れる。
その近くに他の敵は見えない。
これが囮か……。
敵が俺に向かって銃を撃つ。
銃声が響く。
俺はその瞬間にしゃがむ。
俺の頭があった場所を銃弾が超高速で通る。
今くらいの速度なら避けるのは簡単そうだ。
「どうだ? 銃弾は避けられそうか?」
「ああ、余裕だな」
「……美月ちゃん、私たちはあの会話に参加しないようにしよう」
「……そうだね、頭おかしくなっちゃうよ……」
「! 美月ちゃん……! 今の声……!」
水麗と美月は、俺と大雅の影でそんな会話をする。
しかも美月が地声を出した。
多分本気で思っているのだろう。
水麗は美月を見て驚いている。
美月の地声を聞くのは初めてか……あいつは。
こんなこと思ってる場合じゃない。
いつ敵が撃ってくるかわからない。
常に用心しなくちゃ……。
でも、もう前にあの敵はいない。
逃げたか隠れたのだろう。
逃したのは痛いな……。
「そんな顔すんな。お前のことだ。どうせすぐに相手は死ぬ」
大雅が楽しそうに笑いながら言う。
「褒めてくれてありがとな」
「そんな普通に礼言うな。お前らしくないぞ」
「いやいや、褒められたら普通感謝するだろ」
俺はそう言って前に進んだ。
「我としたことが……水麗の前で地声を……。……こんな気分でもクイズを出すのか……『皆でプールに行ったとき、ジェットコースターで大雅はカウントダウンをした。そのとき大雅はどの数字を言ったとき、浮き輪を押した?』。問題文が長い!」




