第49話 対戦相手
「前回のクイズの答えは『鮭(鮭の塩焼き)』だ!」
「お、重い……」
水麗が苦しそうな声で呟く。
確かに、この防護服は水麗にとっては重いかもな。
「あ、君たちが僕たちの相手?」
俺らの後ろから声が聞こえた。
俺が振り向くと、そこには四人の男がいた。
全員高校生っぽい。
「おお、面白い相手だな」
大雅は馴れ馴れしく相手の肩を叩く。
本当にバカか……こいつ……。
「ハハハ、『面白い相手』か」
向こうのリーダーっぽいやつが笑いながら言う。
爽やか系男子って感じがする。
「でもね、僕たち結構強いよ?」
「知ってるぜ。知らねぇわけがねぇよ。でもな、こっちには人間最強がいるんだぜ? 今回はな」
いや君たちさ『これから戦う相手だから軽く挨拶』みたいな会話してるけどさ、俺たち何も分からないからね?
何? 俺たちこいつらと戦うの?
「じゃ、また後で」
そいつらはそう言い残し、どこかへ行った。
「大雅、あいつら誰だ……?」
「俺らの対戦相手。全員強者だぜ。囮、防御、攻撃、頭脳が揃ってやがる。昔戦ったことがある。負けた」
! 大雅が負けた……!
ヤベェじゃねぇか……!
今回は本気で戦う必要があるみたいだな……
きっと俺が本気で戦っても死なないだろう。
ただ、粉砕骨折するだけだ。
そのくらいなら大丈夫だろう。
楽しみだな、やっと本気で戦える。
『だーかーらー! そういうのやっちゃダメって約束したじゃん!』
俺の頭の中で声が響く。
最近よく出るな、芽依は。
『何その言い方! 酷くない!?』
悪い。
「……康輝? お主大丈夫か?」
美月にまで心配されるとは。
俺も大分変態になったな。
……あ、変態って『スケベ』ってわけじゃないからね。
『変わった人』って意味だからね。
やっぱ日本語って難しいな。
「早速戦場に行くぞ」
だからなんで大雅が一人で勝手に行動しようとするんだ……?
「五発自分に当たったら即退場だ。リロード方法はあとで教える。弾は自分の陣地にあるからそこで補充。相手の陣地に行ってはいけない。殴り合い、蹴り合いはあり。審判の判断で即退場になるときもある」
大雅が俺たちに言う。
俺たちはその『戦場』に来ていた。
そしてさっき係の人が俺たちにハンドガンを渡した。
結構リアル。
ここは色々な障害物などがあり、戦うには楽しそうなところだ。
向こう側にもさっきの人たちがいる。
もちろん、防護服姿だ。
よし、久しぶりに暴れるか!
「皆強そうだな! 康輝の思考もヤバいな! ではクイズだ! 『美月の地声は高い? 低い?』。こんな問題出さないでよ! 恥ずかしいでしょ!




