第47話 準備運動
「前回のクイズの答えは『ラーメン』だ。我も好きだぞ」
『明日空いてる?』
大雅からメールが来たのは今朝。
もう八月の初めが終わろうとしている。
てか、こんな時になんだ?
またどっか行くのか?
俺はそんなことを思いながらも『空いてる』と返す。
すると、すぐに既読がついた。
……早……
『じゃあさ、サバゲーやんね? 美月も水麗も誘った』
『サバゲー? 銃撃つやつか?』
『ああ、楽しそうじゃね?』
『まぁ……』
『よし、予約する』
行動早い……いいことだけど。
銃か……避けるのは得意けど撃つのはな……
昔に比べたら落ちてるけど、多分大丈夫だろう。
銃ってどういうやつなんだろ……
結構危ないやつかな……?
大雅に訊こ。
『なぁ、銃ってどんなやつだ?』
『BB弾が出るやつ。顔とか完全防御するやつだから当たったら結構痛いかもな』
『そうか、俺の殴りとどっちが痛いと思う?』
『お前の殴り』
あ、俺の拳の方が痛いのか。
じゃあ当たっても全然痛くないな。
もうちょっと何か訊こ。
『サバゲーってことはナイフとか使えるのか?』
『多分無理だろ』
まぁ、当たり前か。
明日か……急に動くと身体に悪いからちょっと準備運動しに行くか。
俺は近所の公園に来た。
鉄棒、うんてい、滑り台、ブランコなどがある。
普通の公園だ。
「よし! やるか!」
俺は滑り台に登り、辺りを見渡す。
そして、滑り台の柵に登り、頭から飛び降りる。
俺の頭が地面につく少し前に俺は両手を地面につき、前転する。
……これは前転と言っていいのかな……?
まぁ、いいや。
俺はブランコの方に走り出し、ブランコに足を乗せる。
そして上にある鉄棒を掴む。
鉄棒ってあれ……ブランコを吊ってるところ。
俺はその鉄棒に乗り、端に向かって走る。
ここから鉄棒までの距離は……
……あ、今度の鉄棒は逆上がりとかするやつね?
俺は端まで行くと、そこから跳ぶ。
そして、ギリギリで鉄棒に立つ。
俺は鉄棒の上を走る。
最後まで走り終えると、俺はそこから降り、うんていに向かう。
そして俺はうんていの上に乗り、そこも走る。
最後にそこから飛び降りる。
よし、準備運動終わり。
「? 康輝じゃないか」
聞き覚えのある声が俺の後ろから聞こえる。
ほぼ毎日聞いてたからわかる。
前崎先生だ……
俺は振り向く。
やっぱり前崎先生がいた。
……前崎先生って誰かわかるよね?
俺らの担任の先生だよ?
「すごいな、康輝! スパイか!」
前崎先生は俺の頭に手を乗せ、笑いながら言う。
見られてたのか……
「いや、ちょっと運動してただけ……」
「おお! 運動か! いいよな! じゃ!」
前崎先生は笑顔で俺の肩を叩き、どこかに行く。
夏休みの間で担任の先生に会うことってあるのか……
俺はそう思いながら家に帰った。
「流石康輝! それと作者から重大な発表がある。活動報告から見てくれ、結構重大だから。ではクイズだ。『皆嘉は康輝のどこを殴った?』。せっかく皆嘉の優しいところが前回で出たのに……」




