表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/348

第39話 プールに行こう! 〜お化け屋敷 後〜

「前回のクイズの答えは『風崎』だ。……皆覚えておったか? それといつもより投稿が早くてすまぬ。作者の都合上、しばらくはこの時間帯の投稿になると思う。……それと、今回もホラー要素あるから気をつけてくれ!」

 「まだ……?」


 水麗が超小声で言う。

 出口は見えてきている。


 明るい場所が見える。


 「なんも来ないな。つまんねぇ……」


 今度は大雅が小声で言う。

 うん、死亡フラグだね。


 『マテ……』


 後ろからさっきの少女の声が聞こえる。

 ほら、お前が死亡フラグ言うからきちゃった。


 「おお! 今度はフランス人形か!」


 美月が後ろを見ながら興奮気味の声で言う。

 俺も後ろを見ると、そこにはさっきのフランス人形が空中にいた。

 いや、こっちに向かってきている……?


 糸か何かでぶら下げているのか?


 「なんで逃げないの!? 逃げようよ!」


 水麗が泣きそうな声で言う。

 かわいそうだから逃げることにしよう。


 水はなんか汚そうだから泳ぐのはやめよう。


 ……てか人形の方が速くね?

 ヤバいな……


 人形に捕まってみたいけど、そうしたら水麗が失神するかもしれないし……


 「康輝、何か考えがあるみたいだな」


 美月が笑いながら俺に言う。

 なんでわかるんだ?


 「ああ、ちょっと嫌な方法だが」

 「へぇ、どんな方法だ?」

 「水の流れをつくる。俺と大雅が本気で泳げば水の流れが速くなる。そうすれば多分大丈夫だろ」

 「面白そうじゃねぇか。競争するか?」

 「ああ、さっきの競争で負けたからな」


 俺と大雅はもと来た道を少し戻る。

 そして俺は汚そうな水に全身をつける。

 もちろん、顔も。


 うわ……汚そう……


 俺がそんなことを思っていたら、大雅が先には泳ぎ始める。

 今回はあいつに勝ちたい……


 俺も本気で泳ぐ。





 「……速くきすぎたな」


 俺らはもう出口に到着していた。

 しかし、水麗と美月の姿はまだ見えない。


 競争の結果は、俺と大雅が同時に到着したので引き分けだった。


 「……いや、いるぜ」

 「……? どこに?」

 「泳いでる」


 ……泳いでる……?

 あいつら女子だぞ。


 こんな汚そうな水で泳ぐわけ……


 「ふぅ、なんとか逃げ切れたのう……」

 「ハァ、ハァ……」


 俺らの近くで二人が水から出る。

 ……泳ぐんだ……





 「お兄ちゃんの意地悪……」


 お化け屋敷から出ると、水麗がそんなことを言い出す。


 「なんで……手つないでくれなかったの……?」


 水麗は泣きそうな声で言う。


 「? つないでたろ」

 「え……つないでくれなかったじゃん……」

 「は……。……誰か俺の手つないだやついる……?」


 この質問に、誰も頷かなかった。

 しかし、三人は俺が嘘をついていないことはわかっている。


 俺の右手に、今まで誰かに握られていたような跡があったからだ。

「……またまたホラー展開……康輝も霊感があるのか……? そんなことよりクイズだ。『新坂皆嘉の出席番号は?』。一応考えればわかる問題だな……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ