第38話 プールに行こう! ~お化け屋敷 前~
前回のクイズの答えは『ジェットコースター』だ。今回もホラー要素があるぞ」
「次はあれに行こう!」
美月がとある建物を指して言う。
ボロボロの家……壁にはところどころ赤い文字……どう見てもお化け屋敷だ。
よく行こうと思うな。
「お、面白そうだな。康輝、競争だ!」
大雅がその建物に向かって走り出す。
俺は色々と呆れつつ、走った。
「よっしゃ、俺が一位」
「走り出すタイミング違っただろ」
俺は大雅に言う。
水麗と美月は息を切らしている。
わかってると思うけど俺と大雅は何ともない。
「おお、入ってくれるのかい?」
建物の入り口に立っている老婆が俺らに言う。
こんなこと言っちゃいけないんだろうけど、めっちゃ不気味。
「あ、はい」
「そうか、じゃあ入ってくれ。」
……え、それだけ?
もっとなんか……説明とかないの?
「……よし! 行くぞ!」
美月が急に元気に言う。
さっきまで疲れてたじゃん……
「お兄ちゃん……」
水麗が俺の腕にしがみつきながら小声で言う。
「なんだ?」
「……怖いから……中で手、つないでくれる……?」
ああ、そういえばこいつホラー嫌いだったんだっけ。
「わかった」
俺がそう言うと、水麗は微笑む。
……かわいい……
俺らはその状態のまま中に入る。
しばらく歩いていると、ある違和感に気づく。
……坂を下ってる……?
そんなことを思いながら歩く。
辺りは暗く、数メートル先も見えない。
……今気づいたけど、水麗から離れている。
そんなことを思っていたら、俺らは水につかった。
気がついたら腰辺りまで水がつかっていた。
坂を下っていたら、水のある低さまでいったのかな……?
ここで俺の右手に何かが触れる。
……手?
ああ、水麗の手か。
手つないでほしいとか言ってたからな。
水の中を歩いていると、辺りが少しだけ明るくなる。
上にライトがあるのかな……?
まぁ、明るいといっても本当に少しだけ明るくて、ほぼ真っ暗。
ゴールがどこにあるかわからない。
ずっと続いている。
『ミィツケタ……』
俺らが歩いていると、少女の声が聞こえる。
どこにスピーカーあるのかな?
「待って、無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!」
水麗はずっと『無理』を連呼している。
そんなに怖いか……
そして、俺の手を握っている手の力が強くなる。
ちょっと痛い……
「……おお! 康輝! 面白いものを見つけたぞ!」
美月が生き生きとした声で言う。
美月は右側の壁を見ている。
俺もそこを見ると、そこには血まみれのフランス人形が首を吊っていた。
「フランス人形って血出るの? 返り血かな……」
「なんで止まるの!? 早く行こうよ!」
水麗が何か言っているので急ぐとしよう。
「お化け屋敷って行きたくなる……わかるか? この気持ち。それと大事な話がある。投稿する日は火、木、土、日曜になった。これからもよろしく頼む。それともう一つ。『美月の雑談部屋』という、我が雑談するところがある。是非調べてみてくれ。ではクイズだ! 『大雅の名字は?』。皆忘れているのではないか?」




