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第334話 学園祭二日目 〜2〜

「前回のクイズの答えは『ラーメ屋』だ!」

 なぜだから知らないけどロック音楽と共に、男の人が二人ステージ来た。

 ステージの真ん中にはサンパチマイクがある。


 二人はそこまで行った。


 雰囲気が面白そう、この人たち。


 「「どうも! パンツバナナです!」」


 男の人たちは同時に言う。

 なかなか面白いコンビ名だな……。


 『ここから漫才始めるのかなー?』って思ってると、その人たちはステージをおりて、最前列の空いてる椅子に座る。


 最前列の椅子は全部空いてて、その二人は右に詰めて座った。


 次は女の人二人がステージに現れて、同じようにサンパチマイクの前に立つ。


 「「こんにちは! ハム色ピーナッツです」」


 そう言うとステージからおりて、最前列の空いてる席に右に詰めて座る。


 次は『無色カーペット』ってコンビ名の人が来て、この人たちも席に座る。

 次も、その次も同じ感じだった。


 ……これ、なにが面白いの?

 ただコンビ名言ってるだけじゃん。

 漫才とかするわけじゃないし。


 不安だから水麗に訊いてみよう。


 「ねぇ、水麗」


 なるべく迷惑にならないように超小声で隣にいる水麗に話しかける。

 今でも新しいコンビが次々と登場してる。


 「んー? なに?」

 「これさ、お笑いやるんじゃないの?」

 「え? お笑いはやらないよ?」


 ……は?


 「私言ったっけ? 『お笑いやる』って」

 「いや、言って……ないかもだけど……。でも、お笑い芸人来たらお笑いやらない?」

 「いや、やらないでしょー」


 え、そうなの!?

 てっきりやるもんだと思ってたんだけど……。


 俺の『常識』がおかしかったのか。


 「――ねぇ、これお笑いやらないの?」

 「ね。ただ自己紹介してるだけじゃん」


 前の人もそう話してる。

 やっぱ俺、おかしくなかったんだ。


 「……もしかして、ただ紹介されるだけ?」

 「そうだよ?」

 「それじゃあもうすぐ終わるってこと?」

 「うん」

 「え、それだけ? それだけなのにこんな大勢集まってるの?」

 「あ、失礼だよ? その言い方」

 「まぁ、確かに失礼かもだけど……」

 「全員この学校出身なんだよ?」


 いや、確かにそれはすごいけど……。

 でもお笑い芸人来たらお笑いやるもんだと思うじゃん?


 「……あ、このあと握手会とかサインとかもらえる感じ?」

 「そんなわけないじゃーん」


 ええ……。

 じゃあなんのために来たの?


 いくらこの学校出身だからって――


 ――って、全員この学校出身なの!?

 ここって昔、お笑い教育学校だった!?

「……この学校、お笑い芸人多すぎだろ。その道を勧めているのか、この学校は。ではクイズだ! 『康輝たちが通っている学校の名前は?』。これも最近見た気が……」

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